持続可能な開発目標(SDGs)のエビデンスに基づくローカライゼーションのためのより良いジェンダー統計
課題
データと統計は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを実現するためのエビデンスに基づく政策を立案し、そのインパクトを評価し、説明責任を促進するために、欠かせないツールです。
2013年の国連統計機関による「ジェンダー指標の最小限セット」の採択のように、国際レベルでジェンダー統計に関する重要な前進がみられます。ジェンダーに関連した持続可能な開発目標(SDGs)の実施状況をモニターする指標の多くが、こうした前進に基づき選定されています。しかし未だに、ジェンダー平等の領域では、そのような統計が少ない状況です。
持続可能な開発目標(SDGs)の目標5の実施状況をモニターする指標のうち、3つだけが国際基準に沿っており、データも定期的に集計されています。残り11つの指標は、 基準が設けられているものの、データ収集は不規則か、あるいは基準すらない状態にあります。
持続可能な開発のための2030アジェンダにおいては、持続可能な開発目標(SDGs)の各目標のローカライゼーションと適切なモニタリングが、政策のために不可欠です。データ不足が原因でモニターされていない目標は、優先度が低くなる傾向にあります。
こうした必要性を受けて、持続可能な開発目標(SDGs)の実施状況をモニターする指標で、適切かつ質の高いジェンダーに配慮したものを作成することが急務となっています。各国の統計システムに相当な技術および金融投資が為されない限り、持続可能な開発目標(SDGs)の実施状況を適切にモニターする我々の能力が育たないままになってしまいます。
われわれの解決策
フラッグシップ・プログラム・イニシアチブ(FPI)は、UN Women特有の標準、政策、プログラム実施、調整の任務に則り、以下3つの相互に関係している課題に取り組みます:
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国レベルでジェンダー統計を作成するための政策土壌および法的、財政環境の不備;
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ジェンダー統計の作成を制限する、統計システム内の技術的な問題;
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利用者側の、政策に影響を与えるためにデータを分析するアクセスの欠如や能力面での制約