私のいる場所から:サハル・エルサラブ(Sahar el-Salab)

Photo: UN Women/Amna Magdy

仕事を休む必要がある時、息子や娘でなく私が病気のため休みが必要だと常に言っていました。子供の病気は休みの理由として認められていなかったからです。最初に就いた仕事では、海外での債権管理の研修へ行くことが約束されていました。しかし直前になって上司は私にこう言いました。「非常に申し訳ないが、他の4人を優先する」と。彼らは全員男性でした。

次の職場では、自分より年上の同僚30人を統率するリーダーとなりました。8割は男性、2割は女性でした。そのほとんどが今ではエジプトのトップ銀行員として働いています。私が大切にしてきたリーダーシップの哲学は、「耳を傾ける。謙虚でいる。でも、力を誇示する必要はない」。職場では、エジプトが私に望むように男性を指導しました。男らしくあること、そして自らアイデアを出すことを求めました。私が雇った多くの女性社員が、男性社員が女性社員に対し排他的であり、彼女たちのアクセスを阻害し、仕事しにくい環境にしていると不満を言っていたことを覚えています。

私は、「副社長」という役職でガラスの天井にぶち当たりました。エジプトの主要な金融組織における初の女性副社長にとなりました。会長職にも就ける時でしたが、主要な金融組織においてエジプト人女性の会長はいなかったのです。2人目の女性副社長もようやく昨年生まれました。成功するためには、専門性に優れ、ミスを犯さないスーパー・ウーマンである必要があります。私たちは、皆が立ち止まったところからスタートします。私たちは女性がどんなところでも活躍できるよう、機会を創出していく必要があります。"

 

サハル・エルサラブは、エジプトの金融業界において最も成功している女性であり、今は家業の最高経営責任者(CEO)も務めています。また、女性の経済的エンパワーメントのためのアラブネットワーク(Khadija)のメンバーでもあります。Khadijaは、UN WomenおよびEUの支援を受けている、社会、公共、民間セクターの代表が集う地域的ネットワークです。サハルは、彼女が経営する国際商業銀行において女性の管理職の割合を18%から43%に増やしました。彼女の働きは、持続可能な開発目標(SDGs)に直接関連しています。ジェンダー平等に関する目標5は、女性の完全かつ効果的な参画および、意思決定のすべて段階におけるリーダーシップへの平等な機会を確保することを目標としています。また、不平等削減に関する目標10は、地位に関係なく、すべての人を対象にした社会的・経済的・政治的包摂をエンパワーし推進することを目標としています。