バレンシア・クルブ・デ・フトボルとともにジェンダー平等を達成しよう

バレンシア・クルブ・デ・フトボル(バレンシアCF)は、2015年5月、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを提唱するため、スポーツクラブとして初めてUN Womenグローバルパートナーになりました。バレンシアCFの選手たちは、UN Womenのロゴが入ったユニフォームを着用してチャンピオンリーグなどの著名なヨーロッパの大会等でプレーし、世界中でジェンダー平等に対する意識を高めるために特別試合やサッカー教室を開催しています。

新しいユニフォームを持つプムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長とバレンシアCFの選手たち Photo: Valencia CF/Lázaro dela Peña

「UN Womenは、より多くの男性や男児たちにジェンダー平等についての対話に参加してもらうため、尽力しています。」プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は語っています。「バレンシアCFの選手たちは、手本を示し、幅広いファン層を魅了する強力なロールモデルです。バレンシアが毎試合私たちへの支援を示し、世界中のファンや観客の意識が高まることを嬉しく思います。」

スーパースターのダニ・パレホ、シュコドラン・ムスタフィ、パコ・アルカセル、アルバロ・ネグレドを含む一軍の選手全員が2015年5月ニューヨークに来訪し、パートナーシップをスタートさせました。

クラブの96年の歴史の中で初の女性の理事長で、トップスペインリーグ(Liga BBVA)の中で唯一の女性の代表者であるバレンシアCFのLay Hoon Chan理事長は、「UN Womenや世界中のコミュニティーとともに、このような素晴らしい目標を支援し、意識を高めるために活動できることを誇りに思います。この長期間のコミットメントはジェンダー平等の実現に向けて支援活動を広げていく助けになります。」と語っています。

2015年のColumbus Ohioの試合にて、UN Womenのロゴが入ったユニフォームを着てプレーする、MFのダニエル・パレホ Photo: Valencia CF/Lázaro Dela Peña.

バレンシアCFは、その後すぐにUN WomenのユニフォームをColumbus Ohioでの親善試合で初めて着用し、メジャーリーグサッカーに所属するコロンバスを1-0で下しました。

男児・女児の間で幼いころからジェンダー平等に対する新しい考え方を育成していくことが、社会に存在している差別や不平等を終わらせる鍵です。2015年7月、バレンシアCFの選手たちは、UN Womenがピアサポートとリーダーシッププログラムを実施している北京のBeijing Royal Schoolに通う少年・少女たちにジェンダー平等のメッセージを伝えました。生徒たちはバレンシアCFのプロの選手たちと一緒にトレーニングを行い、選手たちは若い女性のエンパワーメントをスポーツを通して促進しました。

ロベルタ・クラークUN Womenアジア太平洋地域事務所長は、「バレンシアCFには何百人ものファンがいることから、このパートナーシップが中国のみならず世界中に数多くいるジェンダー平等の支持者を結集させる助けになることは間違いないでしょう。」と述べています。

Beijing Royal Schoolの生徒たちを指導するバレンシアCFの選手たち Photo: Valencia CF/Lázaro Dela Peña.

多くの人道的活動・開発に携わっている機関は既にスポーツのプログラムを活動の一環としていますが、質の高いトレーニングプログラムを行うために必要なスキルを持ち合わせていませんでした。この差を埋めるため、バレンシアCFとUN Womenは2016年4月にバレンシアCFアカデミーで試験的なワークショップを行いました。このワークショップでは、熟練したジェンダーの提唱者とスポーツ関連団体で働くスキルを持ったアスリートが一堂に会し、ジェンダー平等、女性及び女児に対する暴力の予防、スポーツを通じた自尊心とリーダーシップの育成に重点をおいた質の高いサッカーのトレーニングプログラムを策定し、実施するための方法を学びました。

ワークショップの参加者は、学んだことに基づきプロジェクトを作成、実行することで、働いている国の仲間に新しいスキルや知識を共有しました。

今後3年間に行われる追加のワークショップを通じ、このプロジェクトは、その成果として、2019年の終わりまでに少なくとも30,000人の女児・男児に届くことを目標としています。

「私たちは社会や人の交流に関するジェンダーの影響について素晴らしい議論ができました。あるエクササイズでは、参加者は男性議員や女性の家事労働者といった異なるキャラクターになりそれらのキャラクターのものと受け取られている特権次第で前進したり後退したりするのです。これは、どのようにジェンダーや階級、社会のダイナミックス全てがそのコミュニティーでの人々の立ち位置を形成しているのかを可視化する方法のひとつです。」このワークショップのファシリテーターであるジェイコブ・ルンドUN Womenプログラムアナリストは述べています。「スポーツには社会変革や女性のエンパワーメントの手段となる大きな可能性があり、私たちはスポーツ界を一つにまとめる先頭にたちたいのです。」

2016年7月31日、バレンシアCFはFCイルヴェスと親善試合を行い、FCイルヴェスのジュニア選手を対象としてUN Womenと共にサッカー教室を行いました Photo: Valencia CF/Lázaro Dela Peña

7月31日、バレンシアCFは、UN Womenとのパートナーシップに基づき、フィンランドのラティーナスタジアムにおいて、FCイルヴェスアカデミーに所属する7歳から9歳の女児20人を対象としたサッカー教室を開催しました。選手たちはサッカーのトレーニングを行い、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのメッセージを若く熱意を持った参加者たちに伝えました。