国連女性の地位委員会は2030アジェンダ履行における ジェンダーへの配慮を呼びかけます

すべての女性と女児のための行動の加速を基本とすることに合意し 会議を締めくくりました。

日付:

アントニオ=デ=アギラール・パトリオータ第60回国連女性の地位委員会議長が合意の採択を発表し、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長とラクスミ・プリUN Women事務次長がハイタッチを交わす様子。 Photo: UN Women/Ryan Brown

第60回国連女性の地位委員会は、国連加盟国によるジェンダーに配慮した2030アジェンダの履行を約し幕を閉じました。一連の合意された結論では、法律、政策及び公的機関の強化及びより充実したデータと財政支援の拡大等を含む急速な前進に対応する基盤の強化を求めています。

本委員会は、開発の主体として女性が重要な役割を担う事を認識しました。それは、ジェンダー平等とすべての女性と女児のエンパワーメントなしには、2030アジェンダの中心である持続可能な開発目標における前進はない事を認めたものです。

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は、国連加盟国が、昨年9月に採択された2030アジェンダを世界中の国々で実現するためのこの合意と公約を歓迎し、「各国はジェンダー不平等撤廃の期限を2030年に設定しました。今、行動に移す時が来たのです。これらの合意が、誰一人取り残さない可能性を最大限に含むジェンダーに配慮した2030アジェンダを定着させ、そして実行に移すのです。」と述べました。

グローバル・コミットメントの継続的な成長は、世界中から記録的な数字である80を超える国の大臣がこの委員会に出席していることでもすでに証明されています。540以上の非政府組織から約4100人の参加がありました。これまでの年次集会の中で最多の出席者数となりました。

第60回国連女性の地位委員会の本会議閉会における会議室の様子。 Photo: UN Women/Ryan Brown

本合意は、国家政策やプログラム全体にジェンダーの視点を盛り込むことにより、持続可能な開発目標の全17目標を達成する包括的なアプローチを呼びかけるものです。ジェンダーに基づくすべての形態の差別は、効果的な法律や政策、そして差別を容認するあらゆる法の排除により撤廃することが可能です。女性と女児への人権侵害に対する司法措置を保証する臨時特別措置が必要となる場合もあります。

本委員会は、ジェンダー平等と女性と女児のエンパワーメント達成のための資金格差を縮小する大幅な投資拡大を承認しました。資金は、国内・海外を問わず、政府開発援助の公約を>果たすものからジェンダー平等に対する資金不足を招く不法な資金の流れに対抗するものまであらゆる資源を動員する必要があります。

女性と女児に過度な影響を与える人道的危機やその他の緊急事態の場面で、危機への対処及び復興のあらゆる局面におけるリーダーシップと政策決定の場面で女性のエンパワーメントが必須である事を本委員会は強調しています。世界人道サミット開催を控え、あらゆる緊急事態時の人道支援活動における女性と女児のニーズと女性と女児の人権保護を優先する事が強調されました。すべての人道支援は、性的暴力及びジェンダーに基づく暴力に対処すべきです。

本会議閉会において合意が発表され、第60回国連女性の地位委員会に出席した政府代表らが拍手を送る様子。 Photo: UN Women/Ryan Brown

本委員会の委員国は、公的・民間両分野で、政府、企業及び他の機関などを含む持続的開発のためのあらゆる部門での意思決定において平等な女性参画を推進する事に合意しました。異なる条件下においては、女性参画のための具体的な基準を策定・達成し障害を取り除くための臨時特別措置の制定の可能性もあります。

女性組織や地域社会団体、フェミニスト・グループ、人権擁護団体、女児と若者の団体等を含む市民社会の2030アジェンダに対する多大な貢献を受け、本委員会はこれらの団体とのジェンダーに配慮した実現に向けた自由な取り組み及び協力を歓迎しました。そして、女性と女児に対するあらゆる形態の差別と暴力の撤廃の支持者としてまた、変革の主体として、男性と男児の参画を強調しました。

2030アジェンダを通じて、ジェンダー平等と女性のエンパワーメント達成に向けての体系的前進を導く、本委員会は、国家の統計的能力と体系的なデザイン、及び性別・年齢別・所得別の質と信頼性の高い時宜にあったデータの収集とその共有の強化を強調しました。委員国は女性と女児の平等とエンパワーメントを支援していくために女性と女児のための国家メカニズムの役割を強化することにも合意しました。