UN Women事務局長ステートメント:2016年国際女性デー(3月8日)に関して

2016年国際女性デー(3月8日)に関するプムズィレ・ムランボ=ヌクカ国連事務次長・UN Women事務局長ステートメント

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今年、持続可能な開発のための2030アジェンダがスタートしてから初となる国際女性デーを迎えます。ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは、前進に欠かせないものとして、2030アジェンダの中に明確に盛り込まれています。

新しい持続可能な開発目標のためのアジェンダは、ジェンダー平等を達成するための具体的な目標を含んでいます。女性や女児に対する暴力や差別を撤廃すること、生活のあらゆる場面における平等な参画と機会を保証することを目指しています。その他の目標の中においても、女性のエンパワーメントに重要となる条件が盛り込まれています。

2030アジェンダの採択に伴い、90か国以上の政府がUN Womenの “Step It Up for Gender Equality”(ジェンダー平等に向けて加速させよう!)への行動の呼びかけに応えました。国家元首及び政府首脳は、自国におけるジェンダー平等達成を阻む根本的な障壁を取り除くために、具体的かつ測定可能な行動を誓約しました。

2015年の第59回女性の地位委員会では、各国政府は北京行動綱領を全会一致で再確認しました。大企業も中小企業も、あらゆるビジネスが、ジェンダー平等およびその機会を促進するような文化や慣習に転換できるようコミットし、そして取り組んでいる最中です。女性はそれぞれに、そして市民社会と一緒になって、2030年までに恒久的な変革をもたらすことを呼びかけています。

こうした画期的な政治的意思表明とともに、2030年までに実質的なジェンダー平等を達成するようにカウントダウンを始めなければなりません。そして、説明責任のモニタリングや、進捗評価の実施などを行っていく必要があります。

深刻な難民問題、女性や女児に対する過激な暴力、そして多くの地域における不安定な状況や紛争の広がりといった世界の課題に直面しているからこそ、われわれはこの連帯から力を引き寄せるのです。

われわれが望む未来に到達するために、誰をも置き去りにすることはできないのです。われわれは、最も目に留められることのなかった人々の手を取りスタートしなければなりません。そうした人々の多くは女性と女児です。また、貧困地域や紛争地域においては、男性や男児も含まれるのです。

女性や女児は、貧困や不平等そして紛争、災害、強制退去によって甚大な被害をこうむったコミュニティの復興といった様々な課題に対し、持続可能な解決策を見つける上で重要です。彼女たちは、ジカ熱や気候変動の影響といった新たな脅威が発生した際に最前線に立たされています。しかし、彼女たちは同時に、家族を守り、平和のために取組み、そして持続可能な経済成長や社会変革を保証するための砦でもあるのです。

国際女性デーにあたり、2030アジェンダを包摂的なものにするために必要不可欠な条件のひとつとして、さらなる女性の参加が重要であることを強調します。彼女たちのリーダーシップは、十分に認識されておらず、意思決定の主体においてさらなる参画が行われなければなりません。祖国、コミュニティ、組織、政府、そして国連において、われわれの一人一人が必要とされているのです。「Planet 50-50: Step It Up for Gender Equality」の旗印の下、決定的かつ目に見える測定可能な行動が取られることを確かめなければなりません。

われわれは、あらゆる政府がすでに行ってきたコミットメントを基にしています。また、世界中で女性による小さなグループが声をあげ、彼女たちの参加の意思を明確にしてきました。例えば、国連憲章が採択された1945年のサンフランシスコにおける活動など。われわれは、そのような女性たちの今日に至る活動の蓄積にも基づいているのです。彼女たちは、女性の権利履行のための闘争におけるあらゆる基礎を築いてきました。

あらゆるレベルにおける女性の参画および女性の運動が、国をエンパワーし、強靭な経済や健康な社会を築く上で効力を持つには、男性や男児との協働が必要不可欠です。これこそが、2030アジェンダを変革をもたらし、かつ包摂的なものにする鍵なのです。

国際女性デーを祝して。