「女性により多くの機会を与えることで、女性が国家の再建に中心的な役割を果たすことができます」

8月19日の世界人道デーに寄せた、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長のステートメント

日付:

「世界人道デー」にあたって、私たちは、想像できない程の困難や絶えざる暴力と、確かなレジリエンス(強じん性)をもって対峙している女性・女児・男性・男児を称えたいと思います。また、平和が確立された後も、復興に向けて尽力されている第一対応者や、援助活動員の方々に敬意を表します。

「世界人道サミット」への国連事務総長報告書によると、全ての人道的ニーズの80%が紛争により生じています。本年アフガニスタンを訪れた際、私は紛争や復興の影響を直接目にする機会を得ました。

カブールでは、UN Womenが支援している「アフガニスタン新卒者のための6ヵ月インターンシッププログラム」の卒業生48人に修了証を手渡しました。このプログラムは、女性・女児に経済的エンパワーメントの機会を与えることで家族に安定をもたらし、持続可能な平和を築いていくものです。

彼女たちは女性や女児を標的とした暴力紛争や抑圧の中で育ちながらも、活力にあふれ、差別的な社会通念のない平和が確立され、彼女たちが真にエンパワーされた生活を送る、という未来への希望を口にしました。彼女たちは現状を変えようとしている若いアフガニスタン女性の新しい世代の一員として、レジリエンス(強じん性)を体現していました。

アフガニスタンの女性及び女児は、貧困、差別、搾取のみならず、長引く紛争や再発する自然災害による影響を受け続けています。例えば、都市の閉鎖や兵士による占領によって、移動が制限されたり、学校に行けなくなったりすることは、女性や女児にとって大きな障壁となっています。アフガニスタンでは就学率は上昇していますが、初等・中等教育学校の女子生徒の割合は36%のみで、大学生は20%という少なさです。多くの女性にとって、安全上の懸念によりさらに難しくなっている、家の外で働くことへの文化的な制約は、生活費を稼ぎ、自身が使えるお金を得ることを大変難しくしています。

人道的活動の重要な部分は、インフラ再建、きれいな水や公衆衛生へのアクセスの保障、継続的に発生する暴力への対処、女性を長期的にエンパワーするために欠かせない経済的スキルの提供を通して、紛争後に日常生活を取り戻させることです。UN Womenは、経済発展と女性の経済的エンパワーメントを両方達成するためのモデルを導入するため、アフガニスタンにおけるインターンシッププログラム等の取り組みを試験的に実施しています。

人道的状況は、女性の地位を向上させる機会になることもあります。経済的・社会的にアフガニスタンの女性は究極の困難に直面しましたが、現在アフガニスタン議会の28%は女性です。この数値は、世界平均の22%よりも高い数値です。その理由は、タリバン政権崩壊後、クオータ制が導入されたからです。

人道的危機から復興していく過程で、私たちは、女性の現場での経験を女性の政治分野や国際場裡でのリーダーシップへのアクセスといった利益につなげるようにしなくてはいけません。私たちのインターンシッププログラムの例のように、より多くの機会を女性に提供することにより、女性が国際人道支援活動員とともに中心的な役割を果たし、国家の再建を支援するよう、保証することが可能となります。