福嶌香代子UN Women日本事務所長が、東京都立千早高校の高校生を対象に講演

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12月21日(水)、福嶌香代子UN Women日本事務所長が、東京都立千早高校の全校生徒約600名を対象に講演を行い、自身のキャリアとUN Womenの活動を紹介しました。

Photo:東京都立千早高校

東京都立千早高校は、「ビジネスコミュニケーション科」を設置しており、商業科目だけではなく、企業と連携しての商品企画や、子供の貧困や経済格差、地域活性化等の社会問題解決型の授業を実施している学校です。また、英語教育にも力を入れており、多くのネイティブスピーカーとともに、多読やエッセイライティング、スピーチやパワーポイント使った発表などを取り入れた授業を行っています。

本講演会は、生徒のキャリア形成の一助、学習活動への意欲向上、UN Womenの活動紹介を目的に開催されました。

福嶌所長は、外務省および国連・国際機関での自身の経験を話したのち、UN Womenの概要および優先的活動領域持続可能な開発目標(SDGs)とジェンダー、UN Women日本事務所としての活動、そして今日から学生たちができることとして、HeForSheキャンペーンなどのジェンダー平等への取り組みについて説明を行いました。学生との間でも、活発な質疑応答が行われました。

「国連の活動やジェンダー平等と女性のエンパワーメントについて初めて知った」という生徒が多い一方で、「ジェンダーとは社会的性差であるということは知っていた」「日本での女性の働き方や育児休暇の取得について関心がある」「ジェンダーに基づく差別を日常で認識している」と、以前から高い関心を持っていた生徒も複数いました。

Photo:東京都立千早高校

講演後、学生からは下記のような感想が寄せられました。

【一年生】

・女性がもっと輝けて、よく生きられるようにしていきたいと思いました。偉い人たちは難しいことしかやらないと思っていたけど、思っていたより日常で一般の人が必要としている問題について考えているんだな、と思いました。

・よく社会的性差を無くそうとは聞くけれども、具体的に活動している団体があるのは知らなかった。

・私は、前から男性と女性の間には大きな差があると感じていました。働くのは男、家事をするのは女、という考えには疑問を持っていました。そんな中、最近は社会への女性進出が多くなっているとよく聞きます。私はこの傾向に嬉しい気持ちになりました。そんな女性たちを支え、基礎となる部分をつくっているのがUN Womenの皆さんだということを今日学ぶことができ、良かったです。

・UN Women日本事務所のやっている取り組みは、現在世界にとってとても必要なことで、これからもっとこの取り組みが世界の人々に知られるようになり、もっと発展していってほしいと思います。男女平等とはいわれていても、やはり女性は差別をされてしまう社会です。その中で、いち早く新しいことを取り入れて活動することは素晴らしいです。

・今回の講座で一番印象に残っているのはHeForSheについてです。女性の負担を減らすため、全世界で協力していこうという動きがあり、すでに行動されていたことに驚きました。旦那さんが家事を少し手伝ったり、といった誰にでもできることが立派な活動になるということで、私たちにとっても身近な活動だと思いました。こういったことから活動していくようにしたいと思いました。

【二年生】

・こんなに男女差別をなくすために努力している人がいるのに完全に無くなった国がないのはどうしてなのか疑問に思った。

・UN Womenが女性に対する暴力の無い世界にしようと働いていることを今回初めて知った。もし私の身のまわりに起きたら自分が何をすることができるのか、これから考えていこうと思う。自分の行動一つで少しでも世界が変われたらいい。

・UN Womenが行っているジェンダー活動ではあまりそのことについて知らない人でも参加できる仕組みを作っていて、こういう活動がもっと日本のような先進国でも活発になっていけば良いな、と感じました。

【三年生】

・たくさんの国と一緒に進歩できる良い組織だと思った。

・女性のリーダーシップ性に関して日本は男女の仕事に対する差別を無くすようにしているが、昔からの根付いている意識が今の日本の女性の活躍を妨げている。海外の様々な国では女性の社会進出が多いところもあるので、日本もその仕組みを慣らしていきたい。まずは日本人の先入観を取っ払うべきであると思う。

・女性だからこそ、女性への差別、男女の差などに対応できるため、政治や、企業にもより女性の管理職が増えればいいと思いました。固定観念、先入観などを捨て、新しい世の中をつくっていく時期に入っていると思いました。

UN Women日本事務所は、若い世代がジェンダー平等やUN Womenの活動について知見を広められるよう、引き続き啓発活動を行ってまいります。