UN Women(国連女性機関)セクシャルハラスメントやその他の形態の差別に関するエグゼクティブ・コーディネーター兼スポークスパーソン 、プルナ・センによるステートメント

世界中でおこる#MeToo運動により、ようやく聞こえ始めた女性の苦しみを痛感し、セクシャルハラスメント問題を専門とする、UN Women(国連女性機関)エグゼクティブ・コーディネーター兼スポークスパーソンのプルナ・センは、セクハラに対し声を上げ立ち向かう女性達を称える声明を出しました。

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セクシャルハラスメントや性的暴行は世界的な問題であり、どのような組織や国でも起こる問題です。セクハラや性暴力に悩む多くの女性達は、誰も自分の話に耳を傾けてくれず、信じてくれず、関心を持ってくれないと感じています。私は、リスクを負いながらも、勇敢にセクシャルハラスメントを告発し、全ての人間に責任ある行動をとるように訴える女性達に心から敬意を表します。#MeTooや#TimesUpをはじめ様々なセクシャルハラスメントに反対する運動が世界中で巻き起こっていますが、セクシャルハラスメント根絶に向けて、まだ多くの課題が残っています。

#MeTooの波は世界中に広がりました。北米及び中南米、アフリカ、アジア、ヨーロッパでは、女性達が直面する暴力に反対する連帯運動が活発になっています。最近では、アメリカ合衆国、韓国、日本、スペイン、スウェーデンや他の国の女性達が、セクシャルハラスメントの経験を打ち明け、加害者を告発する事例が多く見られました。

韓国では、芸術やエンターテインメント業界における#MeTooの運動が巻き起こり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領自ら#MeTooの動きの拡大を呼びかけました。文大統領は、文化や態度を変えてはじめて、セクシャルハラスメントを根絶することが可能になると述べました。

隣国の日本では、性暴力やセクシャルハラスメントを受けた女性たちが、自らの経験を語り始めています。被害は、ジャーナリズム業界や政界等、各業界に渡り、被害者は女子生徒や女子大生など様々です。アメリカ合衆国では、エンターテインメントやジャーナリズム界におけるセクシャルハラスメントの加害者に対し、裁判所や雇用主から責任を問われる例が見られました。

ジェンダー平等のランキングでたびたび首位であるスウェーデンでは、数百もの俳優たちが公開状にて証言をし、性暴力を一切容認しないことを要求しました。この要求が、様々な業界の何千もの女性達の反響を呼びました。性暴力の被害者が声を上げることを可能にするためには、その声への疑いから始めてはいけないのです。

セクシャルハラスメントは女性に対する様々な暴力のうちの一面であり、加害者は完全に責任を取る必要があります。人権侵害が処罰されないことによって、レイプの文化は浸透し、被害者の行動が非難され、批判されます。刑事司法制度も含め、こういったことは継続されるべきではありません。スペインでの集団レイプ事件で軽い刑罰が宣告されたことは、その暴力の深刻さを軽減し、女性の権利を尊重するという明らかな義務を害します。正義は女性によって経験される必要があるのです。 正義は、女性のためにもあるのです

国会から映画業界まで、ホテルの従業員からジャーナリストまで、世界のすべての部分において私たちは粛清する必要があります。これは私たち国連にもあてはまり、私たちも解決しなければならないことが多くあるのは確かです。安全で相手に対し敬意を払う、暴力のない職場環境を求めることは私たちの権利です。職場における性的虐待の存在に寛容であること、容認すること、否定することはあってはならないのです。

権力ある地位は男性によって占められており、女性は、攻撃的な男性の性的ふるまいを黙って受け入れることを期待されています。そのような規範がセクシャルハラスメントを持続させます。全ての女性にあてはまるようですが、特にキャリアをスタートさせたばかりの若い女性は脆弱な立場にいるのです。

このセクハラ反対に関する動きにおいて男性ができる極めて重要な貢献は、彼らの権力やふるまいについて考察し、他の男性に対して挑戦し、持続する変化を創り出すことです。

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを主導する国連機関として、私たちは女性に対する暴力は男女の構造的な不平等の表れだと考えます。女性に対する暴力を根絶することは私たちの使命であり仕事の中核です。UN Women(国連女性機関)はこのような暴力を防ぎ、対応し、そして生存者のためのケアへのアクセスを可能にし、また女性や女児のためにより安全な公的・私的な場所をつくります。私たちは女性達の声に耳を傾け、社会を見つめ、女性にとってより良い社会をつくるための行動を勧めます。

私たちはあなたの声が聞こえます。私たちはあなたと寄り添っています。