UN Women最新レポートは家族内のジェンダー不平等を撤廃するための政策課題を提言します

「世界の女性の進歩 2019-2020:変わりゆく世界における家族」では家族形態の変遷がどのように女性の権利に影響を及ぼすかを検証し、多くの国で家族に優しい(ファミリー・フレンドリー)政策の実施が可能であることを明らかにしました。

日付: 2019年6月26日

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2019625日ニューヨーク―UN Womenの最新版フラグシップ・レポート「世界の女性の進歩 2019-2020:変わりゆく世界における家族」では、過去数十年の間に女性の権利が促進したことにより、世界中の家庭は愛情と団結の場所になったものの、基本的人権の侵害やジェンダー不平等が根強く残る場所でもあると報告しています。

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women(国連女性機関)事務局長は「世界のあらゆる地域で、「家族の価値を守る」という理由で、女性の能力や女性が自分自身のことを決断する権利が侵害されていることを私たちは目撃しています。しかしながら、調査や様々な証拠を通じて、家族の「スタンダード」な形などなく、未だかつて存在しなかったのだということがわかっています。本レポートは、意思決定の力を持つ人々が女性の権利を中心に据えた現代の生活形態の実情に即した政策を行いさえすれば、多様な形態の家族がジェンダー平等の大きな推進力となり、女性の権利を侵害するような動きを押し返すことができると反論するものです」と述べました。

世界的なデータ、革新的な分析とケース・スタディに基づいたこのレポートは、世界中の多様な形態の家族の姿を表し、法や政策は現代の家族を支え、かつ家族のすべてのメンバー特に女性と女児のニーズに見合ったものでなければならないとして、実施に必要な予算分析とともに、確固たる提言を行っています。

レポートにおいて指摘された傾向:

-        すべての地域において婚姻年齢の上昇が認められた。一方で、出生率が低下し女性の経済的自立が進んだ。

-        世界的に3分の1以上(38%)の家庭は、カップルと一人以上の子どもで構成されている。拡大家族は、家族以外の親族と同居する場合も含むと、27%とほぼ同数程度認められた。

-        全体の8%にあたるひとり親家庭の圧倒的多数は、女性が有償労働と子育て、無償家事労働を単独で担う家庭である。すべての地域において同性婚家族が顕著となってきている。

レポートが示すように、家庭は慈しみの場所である一方、衝突や不平等、さらには頻繁に暴力を引き起こす場所でもあります。現在、30億人の女性と女児が婚姻上のレイプが法的に犯罪と明示されていない国に住んでいます。不当な仕打ちや暴力はそれだけにとどまりません。5か国にひとつの国では、女児には男児と同等の相続権が認められていません。計19か国では女性が夫に従わなければならないことを法律で定めています。開発途上国に住む既婚女性の3分の1は、自身の健康維持についてほとんど決定権を持っていません。

多くの女性が労働市場に参入し続けている一方で、結婚や出産・子育てが女性たちの労働参加率及び収入や手当を引き下げています。世界的に未婚女性の3分の2、既婚男性の96%が労働人口に属しているのに対し、既婚女性の25-54歳では半数をわずかに超える程度しか就業していません。この不平等の原因の一つは、手ごろな価格で受けられるケアサービスがないために、女性が男性と比べて3倍以上もの無償ケアと家事労働を担っていることが挙げられます。

一方、育児休暇に関しては幾分明るい報告がされています。父親による育児休暇の取得が、とりわけ「パパ・クォータ(割り当て)」等を使わなければ消滅する休暇のような特別な誘因がある国において、増加しています。

レポートでは、移住家族や移住女性が直面する困難についても光を当てています。不当な規制により家族が再会する権利を奪われ、公共サービスの対象からもしばしば除外される家族がいます。女性移民の身分が配偶者に連動している場合には、暴力的な関係から逃れることが困難または不可能となります。

 

レポートは政策立案者、活動家、あらゆる社会的背景の人に、家庭を平等と正義の場所―女性が自ら選択し、声を上げ、身体的な安全と経済的な安定が確保される場所へと変化させることを呼びかけています。

レポートではそれを達成するため、以下のようなことを提言しています。

-        女性が結婚する時期や相手、あるいは結婚するか否かを自ら選び、必要が生じれば離婚できるようにし、家庭の資産にアクセスできるように家族法を修正すること。

-        同棲や同性パートナーシップの関係にある女性の権利を保護するため、多様なパートナーシップの形態を認めること。

-        公共サービス、特に教育とリプロダクティブ・ヘルス(生殖に関する健康)に投資すること。それにより女性と女児の人生における選択肢が広がり、セックスや出産に関し自ら知識を持って選択することができること。

-        家族を助けるためにも包摂的な社会保障制度の構築の際に有給の育児休暇、子育てや介護に関する国家の支援を検討すること。

-        女性や女児に対するあらゆる形態の暴力を撤廃する法や政策を施行し、暴力のサバイバーに司法へのアクセスおよび支援サービスの供与を通じ、女性の身体的安全を確保すること。

本レポート作成に当たり実施された分析によると、生涯を通じた所得支援、医療、子育てや介護などを含む一連の政策は、多くの国ではGDP5%未満の投資で実施することが可能です。

家族が平等と正義の「場所(home)」としての役割を果たせるようにすることは、道徳的な義務であるばかりか、人類の発展を確保するために世界で最も包摂的な課題である持続可能な開発目標(SDGs)の達成に不可欠なのです。

レポートに記載の主なグローバルなファクト(事実)や指標はこちらからご覧いただけます。(英語)

 

インタビューをご希望の方はこちらから英語でご連絡ください。media.team@unwomen.org

レポートの出版を記念する記者会見(2019625日)のアーカイブ映像がご覧いただけます。(英語)

 

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#WomensProgress2019 and #FamiliesOfToday.

 

背景

世界の女性の進歩レポートシリーズは、2000年から続く定期的な女性の権利に関する調査です。このレポートシリーズにより、法や政策、国家プログラムなどに変化を起こし、女性や女児が自らの権利を行使できるような環境が作り出されることを目指しています。

世界の女性の進歩2019-2020UN Womenの「平等のジェネレーション:平等な未来に向けた女性の権利の実現」キャンペーンと時を同じくして発行されました。本キャンペーンは、女性と女児のエンパワーメントにおいて最もビジョンのあるアジェンダとされる、1995年に締結された北京宣言および北京行動綱領の25周年につながるものとして実施されています。女性の権利にはいくつかの進展がありましたが、いまだ多くのチャレンジが残っています。

本文(英語)はこちら