UN Women事務局長、2016年リオオリンピックに参加

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は、リオデジャネイロで開催された夏季オリンピックの開幕に合わせて、8月3日から6日にブラジルを訪問し、スポーツにおける女性及び女児のリーダーシップや参加の重要性を強調しました。

事務局長は、リオで聖火を持って走り、8月5日のオリンピックの開会式には名誉審査員の1人として参加しました。2012年からのパートナーとして、UN Womenと国際オリンピック委員会(IOC)は、オールウェイズ(P&G社)と共同で、ブラジルの思春期の女性たちがリーダーシップやスキルを築く、コミュニティーに基づいたスポーツプログラムを発表するイベントを開催しました。このプログラムは、2016年リオデジャネイロ・オリンピックのレガシーの1つとなっています。

8月6日

UN Women、IOC、そしてオールウェイズは、アート施設の「シダージ・ダス・アルテス」にて、”One Win Leads to Another(ひとつの勝利が次へのきっかけとなる)”プログラムを発表しました。このプログラムは、社会的に脆弱な立場におかれている思春期の女性たちに、スポーツを通じてジェンダー不平等を減らし、自信を育成し保持する機会を与えるものです。プログラム参加者の若い女性も200人近く参加し、このイベントでは人生を変え社会的なステレオタイプを打破するスポーツの力を強調しました。

(左から右)ナワル・エル・ムータワキルIOC調整委員会委員長、梅田邦夫駐ブラジル日本国大使、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長、フリアナ・アゼヴェードP&G副社長(オールウェイズ/ウィスパー)、アラン。アブラハムソン(コラムニスト, 3 Wire Sports and NBC Olympics.com)、Adriana Behar, Brazil Olympic Committee Group with girls.  Photo: UN Women/Beatrice Frey

(左から右)Marcelly Vitória de Mendonça(プログラム参加者)、ナワル・エル・ムータワキルIOC調整委員会委員長、プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長、フリアナ・アゼヴェードP&G副社長、Kaillana de Oliveira Donato(プログラム参加者)、Adrielle Alexandre da Silva(プログラム参加者) Photo: UN Women/Beatrice Frey

「One Win Leads to Another」プログラムに現在参加している400人以上の仲間を代表して、バスケットボール選手であるKaillana de Oliveira Donato(14)、ハンドボール選手であるMarcelly Vitória de Mendonça(16)、そして体操選手であるAdrielle Alexandre da Silva(12)の3名が参加者として体験を共有し、フィールドの内外における障壁を乗り越える助けになっているという本プログラムの意義を語りました。

プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長が8月6日の特別イベントで”One Win Leads to Another”プログラムの若い参加者たちと対面 Photo: UN Women/Gustavo Stephan

8月5日

プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長は、熱帯植物園から出発し、リオデジャネイロの街の中でオリンピックの聖火を運び、女性及び女児のスポーツを通じたエンパワーメントを祝いました。歴史的に、オリンピックの聖火は、純粋さという価値を象徴しており、聖火ランナーたちは、聖火リレーの道中で平和のメッセージを伝えてきました。

UN Women事務局長は、モナコ公国のアルベール2世から聖火を受け取り、女性及び女児のスポーツを通じたエンパワーメントを祝って、リオデジャネイロの大通りを走りました。聖火は、著名なコミュニティー活動家でファヴェラツアーガイドのThiago Firmino氏に渡されました。Photo: UN Women/Gustavo Stephan

事務局長は、平和条約や戦争のない状態のさらに先にある平和のメッセージ、暴力に対する恐怖や差別なく生きる権利、女性及び女児が家族・コミュニティー・職場・スポーツのフィールドなどで潜在能力を最大限に発揮する可能性などを伝える機会が与えられたことを光栄に思っている、と強調しました。

数キロ先では、潘基文国連事務総長が聖火を受け取り、スポーツには人種・ジェンダー、宗教・国籍という違いを超えてあらゆる人々を団結させる力があることを目の当たりにしました。事務総長は、聖火をThaiza Vitóriaに渡しました。彼女は、15歳のブラジル人ハンドボール選手で、リオデジャネイロの”One Win Leads to Another”プログラムの参加者でもあります。

潘基文国連事務総長は、オリンピック聖火を15歳のブラジル人ハンドボール選手で、リオデジャネイロの”One Win Leads to Another”プログラムの参加者でもあるThaiza Vitóriaに手渡しました。Photo: UN Women/Isabel Clavelin

15歳のブラジル人ハンドボール選手で、”One Win Leads to Another”プログラムの参加者でもあるThaiza Vitóriaが聖火リレーをしている様子。Photo: UN Women/Isabel Clavelin

Thaiza Vitóriaは、ジェンダーや社会に基づくステレオタイプに順応することを迫られるブラジル、そして世界中の思春期の少女・若い女性の声を拡大するため、聖火ランナーになり、ブラジルにおける”One Win Leads to Another”での体験を共有しました。本プログラムは、リオデジャネイロに住む2500人の恵まれない境遇の若い女性たちを訓練し、スポーツを通じてリーダーシップを育み、彼女たちの人生に影響を与えうる、あらゆる段階の意思決定能力を向上させることを目標としています。UN Women事務局長と、ナディーン・ガスマンUN Womanブラジル事務所長も、沿道から声援を送る何百万もの人々に加わりました。

オリンピック開会式 Photo: UN Women/Beatrice Frey

プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長は、オリンピックの開会式にも参加し、名誉審査員の1人となりました。

8月4日

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は、Janeth Arcainオリンピック・ヴィレッジ市長と面会しました。Photo: UN Women/Leonardo Dresch

プムズィレ・ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は、Janeth Arcainオリンピック・ヴィレッジ市長と面会しました。2度のオリンピックメダリストで、ブラジルの元バスケットボールチャンピオンでもあるArcain市長は、オリンピック開催期間中に18000人のアスリートたちが滞在する施設を紹介しました。オリンピックの精神を祝して、事務局長は、オリンピック期間中の停戦を願って設置された壁にサインし、アスリートたちの歓迎式典に出席しました。

プムズィレ・ムランボ=ヌクカ事務局長とIOCの福祉担当であるSusan Greinigとの会談 Photo: UN Women/Gustavo Stephan

IOCの福祉担当であるSusan Greinigとのミーティングの際、ムランボ=ヌクカ事務局長は、オリンピックにかかわるアスリート・参加者・ボランティアに対するセクシャル・ハラスメントや嫌がらせを防ぐためのIOCの取り組みについて知りました。IOCは性的虐待やハラスメントに対して断固とした態度を取っており、大会に参加する200ヵ国以上の多様な文化にも響くようなメッセージを発信しています。予防に力を入れると同時に、開催国の国内法実施及び司法機関の協力により、そのような犯罪を捜査するオンデマンドサービスも提供しています。