国際ガールズ・デーにおけるプムズィレ・ムランボ=ヌクカ国連事務次長およびUN Women事務局長からのメッセージ

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国際ガールズ・デーは、世界の女の子たちにとって重要な日です。 この日は権利の保護、そして権利を主張するためにあり、たとえ困難であったとしても、熱心に耳を傾け、大いに声をあげ、現在まで続く権力の不均衡に立ち向かい、そして結束し立場を明確にするときなのです。これによって、女性や女児の声に耳が傾けられ、彼女らの経験が真剣に受け止められるようになるでしょう。 今こそ、女性や女児に対する暴力の撤廃を中心として男性や男児もともに、すべての人の平等の実践に関わるこの問題に取り組むべきときです。

 

私たちは、権利を守るために個人が声を上げることがどれほど難しいのか、そして権威をもつ人々がいかに簡単にその声を無視し、萎縮させ、沈黙させることができるかを何度も見てきました。

 

権利の侵害を訴えることが困難であってはならないはずですが、実際は困難な状況にあります。特に、性的暴力の経験を例としてよくみられるように、これら暴力やハラスメントが普通になってしまった状況で、特に困難が生じます。28EU加盟国を対象とした調査によると、35%の女性が最も深刻なセクシャルハラスメントに遭っても沈黙を保つことしかできず、警察からの援助を求めている人は4%にすぎません。

 

私たちUN Womenは、このようなハラスメントの加害者に責任を移し、被害者が烙印を押されないよう、そしてあがるはずの声が沈黙させられないよう活動しています。そのためには、生存者を中心に考えなければなりません。彼女らの経験は、加害者が責任を逃れる文化を終わらせるために耳を傾けられ、行動されなければならなりません。私たちは、学校、礼拝所、スポーツクラブ、交通機関、雇用主や政治指導者など、すべての機関や組織に対して呼びかけています。また、若い人たちもまた、最上の敬意を示しつつ、生存者を中心として、責任から逃れることなく指導者に報告する責任があります。

 

73回国連総会においてUN Womenは、女性や女児に対するあらゆる形態の暴力を排除する努力の強化に関する報告書を発表しました。この報告書は、暴力行為は、公共空間やオンラインを含むあらゆる場面で人権を体系的に侵害していることを明らかにしています。また、世界のすべての指導者や組織に、男女間の不平等な権力関係や、暴力を助長し永続させる社会規範、法律や司法プロセスの強化、特に犠牲者(暴力やハラスメントに合うリスクが高く、過小評価されやすい女性や女児)への支援の提供など、具体的な行動をとるよう要請しました。

 

連帯することは重要なことです。私たちは、沈黙に抵抗し立ち向かう連帯の力を見てきました。#MeToo」、「#TimesUp」、「#BalanceTonPorc」、「#NiUnaMenos」、「UN Women's #HearMeToo」のような暴力やハラスメントに対する国内外の動きは、暴力やハラスメントの責任から逃れる文化の終焉への機運や規模の拡大、可視性の向上をもたらします。 この連帯は、続けられなくてはなりません。そうすることで、私たちは個人だけでなく組織的に責任から逃れることを終わらせることができます。

 

これら運動の多くを占めている反対運動やオンラインでの運動の流れには、女性や男性、女児や男児が含まれています。これらデモンストレーションの包括性や平等性、共有価値はとても甚大なものです。なぜなら、それらが権利の制限と反対意見の声明を抑制しようとする人々と戦うための唯一の方法であるからです。

 

女性と女児に対する暴力を終わらせることは、私たちの活動の中心であり、ジェンダー平等のための戦いの中心です。この日、私たちは、彼女らが自分の将来を奮い立たせ、革新し、責任を取れるよう、女の子たちを支持します。私たちは現状に挑戦し、暴力に対して声を上げ、地球規模の課題を解決するために技術を革新し、環境に立ち向かい、世界をリードするための準備をしている世界11億人の女の子の力と可能性を称えます。

 

原文はこちら(英語)