私のいる場所から:ハティジェ・ムハメット(Hatice Muhammet)

「全く新しい人生が始まり、今私には夢があります」

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ハティジェ・ムハメットは家庭内暴力のサバイバーでありシリア難民です。彼女は生計支援、心理社会的サポートや職業トレーニングを実施しているトルコ南東部ガジアンテップのSADA女性専用センターに登録した5千人以上の難民女性やトルコ人女性の一人です。

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「父の借金のため15歳で婚約、17歳で結婚しました。子どもは欲しくなかったし、勉強して医者になるという夢がありました。結婚は私の人生と希望を奪ったのです。継続的な暴力を受け妊娠を強いられた上、7人の子どもを産みました。

シリアの田舎で仕立て屋として女性用のスカーフを作る仕事をしていましたが、外で仕事をすることに夫が嫉妬するようになりました。同時にスカーフの需要が減り職を失いました。

戦争で爆撃が激しくなったのでトルコ南東部のガジアンテップに逃げました。そこで私の夫はさらに暴力的になり、非公式な結婚によってシリア人女性をもう一人の妻として迎えました。夫はもう一人子供を欲しがり、その子に第二婦人の名前を付けました。赤ん坊の世話をしていたので働けず、夫は無職でした。14歳、12歳、9歳の子供たちが家族のためにお金を稼いでくれました。

希望を失いかけていましたがSADA女性専用センターへ足を踏み入れた時から私の人生は変わりました。センターの職員は私は独りではないと、また全てうまくいくと声をかけてくれました。私自身を守るための権利を学び、新しい技術を習得する手助けをしてくれたのです。私はセンターでパソコンや仕立てなどの職業訓練を始めました。

全く新しい人生が始まり、今私には夢があります。自分の大きな仕立てのビジネスを立ち上げることです。センターはこの夢を実現させる後押しをしてくれています。

子どもたちの何人かは学校に再び行くようになりました。私の娘たちには決して私のような経験をさせたくありません。幼いうちに結婚させたり暴力を受けさせることはしません。彼女たちには勉強や仕事をして自分自身の人生を歩いて欲しいのです。」


* 個人情報保護のため仮名を使用しています。

 

SADA女性専用センターは日本政府とシリア危機に対応する欧州連合地域トラストファンドからの支援を受けてUNWOMENにより2017年に設立されました。ガジアンテップ市とILO、難民申請者と移民との連帯組織(SGDDASAM)の協力の下運営されています。ハティジェ・ムハメットの話はジェンダー平等とすべての女性と女児のエンパワーメントについての持続可能な開発目標(SDG)の目標5と生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいある人間らしい仕事)についての目標8、持続的な開発に向けて平和で包括的な社会を推進することを目指す目標16に関連しています。