【イベント報告】第3回「HeForShe すべての人が輝く社会を目指して ~Generation Zからの提言~」

UN Womenと株式会社資生堂共催。高校生たちとともにジェンダー平等の実現に向けて何が必要なのかを考えました。

日付:

2019HeForSheShiseidoevent_all

 

2019年10月7日 東京 ― UN Women(国連女性機関)と株式会社資生堂は、未来を担う若い世代から、日本社会を動かしている各セクターの代表者に向けて提言を行う「第3回 HeForShe すべての人が輝く社会を目指して ~Generation Zからの提言~」を開催しました(後援:外務省)。約230名の来場者に対して8校の学生グループがそれぞれの解決策を発表しました。

UN Womenは株式会社資生堂様のご支援を受け、本年が3回目となる日本の高校生を対象とした「ジェンダー平等啓発ワークショップ2019」を開催しました。日本全国から33校が参加、学生はグループを組み、関心のある問題を「持続可能な開発目標(SDGs)」と関連付け、ジェンダーの視点を踏まえて解決・改善策とアクションプランの作成に取り組みました。

そして、本イベントにおいて、全国から選出された8つの高校の学生グループが登壇し、解決策・アクションプランを発表しました。同じく会場内には、他校の高校生による解決策も掲示されました。

 

また、このイベントでは、過去参加した学生のフォローアップ報告や、専門家によるジェンダー平等に関するパネルディスカッション、内閣府男女共同参加局長からのスピーチも行われました。司会は、日本テレビ キャスター・解説委員の小西美穂氏が行いました。

 

HeForSheShiseido20191イベントの開会挨拶においてUN Women 戦略パートナーシップ局長 ダン・シーモアは、自身の人道支援の現場経験を踏まえながら、全ての人々がジェンダー問題に取り組む重要性を語りました。また、2020年は1995年の北京宣言から25周年など様々なマイルストーンであることから、ジェンダー平等の実現を推進する重要な年であり、UN Womenは「平等を目指す全ての世代」 キャンペーンを展開する旨、発表しました。

 

次に「これまでの活動から生まれたこと」では、㈱資生堂の社員の方から、過去参加した高校生が、その後、ジェンダーと政治参画をテーマにロール・プレイング・ゲームのワークショップを実施したり、大学で対話の場を作る等、ジェンダー平等に向けて様々に自発的な活動を行っている旨、報告されました。

 

「ジェンダー平等はなぜ日本社会に必要なのか」をテーマにしたパネルディスカッションでは、パネリストとして、京都産業大学現代社会学部現代社会学科の教授であり、京都大学の名誉教授でもある伊藤 公雄氏、NPO法人Gender Action Platform理事及びUN Women/ILO/EU協調プロジェクト「We Empower」の日本コーディネーターである大崎 麻子氏 、エコノミストであり「『逃げ恥』にみる結婚の経済学」著者である是枝 俊悟氏の3名が登壇。まず、大崎麻子さんから、世界経済の中でジェンダー平等の推進はすでにコンセンサスのものであり日本企業にとっても重要な指針であること、是枝俊吾さんからは、日本は制度を含めて男性も育児家事を担って共働きを行っていくことが経済的に豊かになる道であり経済合理性があること、最後に伊藤公雄さんより、日本の中でもダイバーシティが強調されているがジェンダー平等と次世代育成を通じてエネルギーを発揮できる社会になることが重要である旨、述べられました。会場にいる学生との双方向によるコミュニケーションも取られ、会場全体でジェンダー問題について考える良い機会となりました。

 

Generation Zからの提言」では、8つの高校の学生グループから提言発表が行われました。高校名と発表名は下記の通りです(発表順)。

・昭和女子大学付属昭和高等学校
「輝かしい未来への道」

・名城大学付属高等学校 

「私たちが始める、アフリカの女性の社会参加に向けたプロジェクト」
・群馬県立館林女子高等学校
 「幼児期の遊びからこれからの働くを変える-男女にとらわれない2030の実現に向けて-」
・広島女学院高等学校
 「ジェンダー視点で企業を選ぼう」
・開成高等学校
 「ジェンダー不平等は自分ごと?」
・光ヶ丘女子高等学校
 「『竹』XSDGsでジェンダー課題の解決をめざす!~ウガンダを例に~」
・愛知県立旭丘高等学校
 「ワタシ、誰と結婚したい?-上昇婚志向とジェンダー平等-」
・立命館守山高等学校
 「絵本を通してジェンダー意識を改善する」

 

HeForSheShiseido20193

各テーマは、男女による賃金格差と職場文化、ジェンダー課題への関心が低い状況、玩具やアニメ、絵本が与えるジェンダーバイアス、アフリカにおけるジェンダーを含めた複数の課題など様々で、SDGsとの関連を説明し、解決案を提案。問題状況の把握のために学校内外におけるデスク・リサーチやサーベイをしっかりと行い、解決案を実践に移したケーススタディを紹介するなどハイレベルな発表が数多くなされました。

 

各学校の発表に対して、下記の方々がフィードバックすることで、更なる学びの機会を提供しました。

 

  • パネリスト3名(伊藤公雄氏、大崎麻子氏、是枝俊吾氏)
  • 文部科学省 初等中等教育局 参事官(高等学校担当)付高等学校改革推進室長(兼)初等中等教育局 視学官 安彦広斉氏
  • バークレイズ証券株式会社 信用リスク管理部長 ジョン・プレイス氏 (HeForSheインパクトチャンピオン企業)
  • Buzzfeed Japan(バズフィード・ジャパン)ニュース編集長 小林明子氏
  • 株式会社資生堂 執行役員 クリエイティブ本部長 山本尚美氏
  • UN Women日本事務所所長 石川雅恵

内閣府男女共同参画局長 池永肇恵氏のスピーチでは、各高校からの発表に感銘を受けたこと、若者が取り組む重要性が語られました。特に重要な3点として、①物事を決めるときは男女の多様な視点で話し合うこと、②ジェンダー課題は身近に潜んでいるため、周囲の人たちとジェンダー平等について会話を進めること、③投票やSNSを通じて一層声を上げてほしいと、高校生に語り掛けられました。

 

閉会の挨拶として、㈱資生堂・執行役員の山本尚美氏からは、制度を整えたり、女性活躍の推進も重要だが、更に心に潜む差別や格差を解消していくことが本質的な解決につながっていくこと、ジェンダー平等の実現には、企業、更に家庭での取り組みも大切であり、くじけずに、みんなで実行に移していくことが大切、と力強いメッセージが送られました。

 

高校生による各発表内容を含め、下記の報道記事をご参照ください。

 ・日テレNEWS24

  「高校生が提言!ジェンダー平等社会に

 ・BuzzFeed

  「専業主婦の世帯は優遇されている」は本当か?高校生が本気で考えた男女平等の作戦

 ・朝日新聞

  「『女の子だから…』は親の無意識? Z世代が平等考えた

 ・週刊金曜日

  「国連大学で8校が提言発表 男女平等へ道示す高校生

 

また、登壇者によるSNS投稿もご覧ください。


日本テレビ報道局 小西美穂 政治部解説委員・「news every.」キャスター

View this post on Instagram

高校生たちが主役のシンポジウムで 司会をさせていただきました!  どうやって男女格差をなくしたらいいの??  高校生がジェンダー課題について アイデアや提案をプレゼンテーション。 参加は全国から選ばれた8校で、 どれも素晴らしかった!みんなよく頑張った!! (後日放送します)  ジェンダー課題への関心の高まりが 感じられて嬉しかった♡  司会の私自身も勉強になりました。 (写真は左端っこにいます。わかるかな…)  @heforshe @unwomenjapan #unwomen #ジェンダー平等 #昭和女子大学附属昭和高等学校 #名城大学附属高等学校 #群馬県立館林女子高等学校 #広島女学院高等学校 #開成高校 #光ヶ丘女子高等学校 #愛知県立旭丘高等学校 #立命館守山高校

A post shared by 小西美穂 / 日本テレビキャスター・解説委員 (@mihokonishi69) on

 

Buzzfeed Japan 小林明子・ニュース編集長

 

NPO法人Gender Action Platform理事及びUN Women/ILO/EU協調プロジェクト「We Empower」日本コーディネーター  大崎 麻子氏


関連記事:

2017年 第1回目 HeForShe すべての人が輝く社会を目指して

2018年 第2回目 HeForShe すべての人が輝く社会を目指して