女性に対する暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる国連事務総長とシマ・バホスUN Women(国連女性機関)事務局長の声明

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本日は女性に対する暴力撤廃の国際デーです。

ここ国連で、そして世界中で、私たちは女性と女児を保護し、彼女たちの人権を守るために取り組んでいる人々を称えます。また、政府、組織、機関、地域団体や世界中の人々を含む新たなパートナー達が私たちに加わり、声を上げ、人々の生活に変革を起こすために、16日間のキャンペーン期間中だけでなく日々協力することを歓迎します。

女性に対する暴力は世界的な危機です。近所のいたる所で、危険にさらされている女性と女児がいます。世界中で、紛争、気候関連の自然災害、食糧不足、人権侵害が女性に対する暴力を悪化させています。女性の70%以上が、何らかの危機的状況でジェンダーに基づく暴力を経験しています。そして、富める国でも貧しい国でも、ジェンダーに基づく偏見が女性と女児に対する暴力行為に拍車をかけています。

汚名、恥、加害者に対する恐怖心、女性に不利に働く司法制度への不安によって女性たちは沈黙させられ、女性に対する暴力はしばしば報告されないままとなっています。新型コロナウイルスのパンデミックとそれに伴う孤立や隔離により、可視化されない暴力が可能となりました。女性と女児に対する暴力の第二の陰のパンデミックでは、女性たちは暴力の加害者とともにロックダウン(封鎖)状態に陥りました。世界のあらゆる場所で、女性に対する暴力の相談窓口への報告が増加しました。

安全、尊厳、平等、正義の権利を含む女性の人権は、国際法の核となる原則です。そして私たちは、女性のリーダーシップと安全が多様な方法で経済発展、地域福祉、子供の健康と教育などにおいて重要な役割を果たすことを知っています。女性の人権が支持されるとすべての人は恩恵を受け、女性の権利が侵害されると私たち全員が苦しみます。

しかし希望はあります。近年、女性と女児に対する暴力を防止・削減するために多くのことが達成されてきました。現在の課題は、グローバルな取り組みを拡大しより多くの人々の生活に変化をもたらすことです。私たちは、すべての年齢の女性が必要不可欠なサービスを利用でき、これらのサービスにアクセスできるようにする必要があります。私たちは、女性が意思決定に安全に参加できるオンラインおよびオフラインの環境を支援する必要があります。

新たな機会が開かれています。昨年の夏、世界の女性と女児のための総額400億米ドルのコミットメントの一環として、平等を目指す全ての世代フォーラムはジェンダーに基づく暴力に関する行動連合を立ち上げました。行動連合は、若者、市民社会、信仰に基づく団体、慈善活動、民間部門、国際組織、国連加盟国など、さまざまな女性団体やその他関係者を結集しています。暴力の生存者(サバイバー)への支援サービス、法的枠組み、草の根団体のためのより多くの資金提供などの重要な分野において、具体的な財政支援と政策に関するコミットメントと規模を拡大した取り組みが生まれるでしょう。

本日、女性に対する暴力撤廃の国際デーも刺激的な希望を生んでいます。真の変化を生み出すことを目的とした一連のイベントである、毎年恒例の「ジェンダーに基づく暴力撤廃に向けた16日間のキャンペーン」が始まります。2021年のテーマは「世界をオレンジ色に:今すぐ女性に対する暴力を終わらせよう!」です。「オレンジ色」は暴力のない明るい未来を象徴します。奮ってご参加ください。

あらゆる場所で活動する女性団体と関係者は、今までの進歩を成し遂げるのに不可欠な存在でした。これからも私たちは一緒になって、世界中のより多くの女児と女性の生活をより良く、より明るいものとすることができます。

 

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アントニオ・グテーレス国連事務総長のビデオメッセージはこちら: