年間4,200 億米ドルの資金不足、開発途上国におけるジェンダー平等を阻む

ジェンダー平等に向けた取り組みは、慢性的な資金不足、脆弱な追跡システム、不公平な財政ルールによって停滞しています。国連女性機関(UN Women) は、より平等な社会を実現するために、緊急かつ持続的な投資の必要性を訴えます。

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【ニューヨーク】発展途上国では、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げるジェンダー平等の達成に必要な資金が、年間4,200億米ドル不足していると推計されています。UN Womenは、6月30日からスペインのセビリアで開かれている第4回開発資金国際会議(FfD4)において、包括的かつ持続可能な開発に対する加盟国のコミットメントを再確認する「セビリア・コミットメント」が採択されたことを歓迎します。国際社会がより多くの困難に直面しているなか、今回の合意は、ジェンダー平等推進の重要性を財政面で認識する重要な一歩になりました。

持続可能な開発や包括的な強い経済の実現にはジェンダー平等が不可欠であることは、すでに広く認識されています。FfD4は、ジェンダー平等推進のための資金調達に向けた流れを加速化させていくための重要な機会です。今求められているのは、ジェンダー格差を解消し、機会を切り拓き、誰一人取り残さない社会を築いていくために、今後10年間にわたり的を絞った投資を一貫して行うことです。

UN Women は、各国政府や金融機関に対し、これまでの約束を具体的かつ持続的な投資へと移行し、最も困難な状況にある女性や女児に確実に支援が届くよう求めています。現在の資金ギャップは、女性の権利や施策に対する深刻かつ慢性的な資金不足を浮き彫りにしており、政府や金融機関は資源を適切に再配分する必要があります。最も貧しい国々には大多数の低所得の女性が暮らしており、最も投資資金を必要としているにもかかわらず、そうした国々はグローバルな資金の流れから取り残されています。つまり、最も支援を必要とする女性や女児のもとには資金が届いていないのです。

ジェンダーに配慮した予算編成(GRB)が広がりを見せているにもかかわらず、公的資金がジェンダー平等のためにどのように配分されているかを追跡できる仕組みを持っている国は、わずか4分の1にとどまっています。こうした情報がなければ、国の開発目標を計画し、予算を立て、実行していくことはほぼ不可能です。

UN Womenのナヤラザイ・グンボンツバンダ事務局次長は「見えないままの予算では、ジェンダー格差を埋めることはできません」と指摘しました。「各国政府は、これまで約束してきたコミットメントを実際の投資という形にし、資金がどのように使われ、何を達成したのかを追跡しなければなりません。ジェンダー平等は、予算の片隅に置かれるべきものではなく、公共政策の中心に据えられるべきです。そのためには資金が必要です。改革が必要です。そして、女性をコストではなく未来と位置付けるリーダーシップが必要なのです」と述べました。

開発資金のための国際会議において、UN Womenは、女性や女児の置かれた状況を改善し、持続可能な開発のための2030アジェンダが掲げる目標の達成を加速するための具体的な提言を打ち出しています。

  • 国家の優先課題にジェンダー平等目標を反映させ、ジェンダーに配慮した予算編成(GRB)の活用をさらに拡大・強化すること。これにより、資金が本当に必要なところに確実に届き、あらゆる分野における女性や女児のニーズや権利が実現されるようになります。また各国は、こうした予算の執行や進捗管理を進めるために、制度整備や政治的関与の強化に取り組まなければなりません。これは、社会全体を変革し、長期的な変化をもたらすための鍵となります。
  • 緊急の債務救済、より公平な国際金融ルール、そして進歩的かつジェンダーに配慮した税制改革を実施すること。これらの措置は、緊縮財政を終わらせ、保健、教育、福祉などの基本的な公共サービスへの投資に必要な財源を生み出すために不可欠です。
  • ジェンダー平等、平和構築、包括的な社会開発など、長期的な人間開発目標に資するよう公的支出の配分を見直すこと。安全保障上の懸念の正当性を認識しつつも、各国政府は国際的な約束を果たすために、福祉が充実した包括的で強靭な社会を実現するための投資を一層拡充しなければなりません。
  • 保育や介護など公共の福祉に投資すること。これらは、女性が労働市場や社会に全面的に参加するための不可欠な社会インフラです。国民所得の10%を福祉サービスに投資すれば、貧困を減少させ、世帯収入を増やし、何百万もの良質な雇用を生み出すことができます。

UN Women は継続的な投資不足が、ジェンダー平等の進展や、女性と女児の権利の実現と地位向上、さらに2030アジェンダや北京行動綱領の達成を停滞させていると訴えています。第4回開発資金国際会議 (FfD4)の閉幕にあたり、UN Women は各国首脳に対し、4,200億米ドルにのぼる資金不足を補うために、これまでの政治的コミットメントに、持続的かつ透明性が高く責任ある資金提供が伴うよう強く求めています。世界人口の半分を占める女性への約束を果たすために。

 

英語プレスリリース(本部ウェブサイト):https://www.unwomen.org/en/news-stories/press-release/2025/06/usd-420-billion-annual-shortfall-blocking-gender-equality-in-developing-countries