「日本の若者よ、変革の主体となれ」UN Womenアジア・太平洋地域事務所、アナ・カリン事務局長臨時代行来日インタビュー

―UN Women (国連女性機関) アジア・太平洋地域事務所のアナ・カリン事務局長臨時代行の来日に際して、UN Women日本事務所のインターン生がインタビューをしました。

日付: 2018年9月3日

Anna-Karin Jatfors スウェーデン出身。15年以上女性や子供の権利に関連した政策やプログラムに関わっている。UN Women以前にはUNICEFにて5年間勤務。

Q UN Womenアジア太平洋地域事務所長臨時代行として、どんな仕事をされていますか。

アジア各国のUN Women事務所を支援し、女性と女児のエンパワーメントとジェンダー平等を推進しています。女性や女児を守るための法律を採択し実施するために政府を支援したり、女性支援団体のアドボカシーを支援しています。少数民族、障害者、災害や紛争の被害を受けた女性など、特に脆弱な女性や女児達が、安全に生活し、潜在能力を活かすことができるように活動しています。

また、他の国連機関とも協働し、気候変動や安全保障などあらゆる分野に女性や女児のニーズが反映されるように働きかけています。

Q なぜUN Womenで働くことに決めたのですか。

地球の様々な課題を解決するにあたってジェンダー平等ほど重要な目標はないと私は思っているからです。人口の半分が女性なので、紛争や気候変動などあらゆる問題を解決するにあたって、ジェンダーの視点を意識するのが大事だと信じています。

Q UN Womenにおいて一番印象的だった出来事は何ですか。

7年前、女性と女児に対する暴力を撤廃するための、世界中の若い活動家向けのフォーラムを開催しました。このフォーラムで一つのグループが「オレンジデー(女性に対する暴力撤廃の国際デー)」を提案し、女性に対する暴力について関心を高めたいと言いました。これが現在では世界中に普及し、オレンジデーには、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビルディングやエジプトのピラミッドまでもがオレンジ色に光りました。情熱とエネルギーさえあれば、自分の想像以上に変化を生むことができるということを実感した思い出深いエピソードです。

 

エジプトのピラミッドがオレンジ色に照らされる様子

Q 仕事の中で最も困難なことは何ですか。

女性と女児の生活を向上させるために、市民社会、政府、教育機関、宗教の指導者など様々なセクターと協働する必要があるので、調整や優先順位をつけるのが難しいことです。贅沢な悩みでもありますが。

Q 人生のモットーは何ですか。

 “Never doubt that a small group of committed individual can change the world. In fact, it’s the only thing that ever has.” 献身的な人々による小さな集団が世界を変えられるということを疑わないでください。実際に、そうした集団だけが世界を変えてきたのです。」他人の生活を変えるなんて不可能だ、だれか他の人がやるべきだと私たちは考えがちですが、それでは世界を変えることはできません。何か課題があるのであれば、例えば大学でワークショップを開催する、署名を集める、オンラインキャンペーンをするなどできることがたくさんあります。でも沈黙したままであれば、変化を期待することはできません。

もう一つは、“Be the change that you want to see in the world” 「あなたが見たい世の中の変化にあなた自身がなりなさい。」変化が欲しいのであれば、自分がロールモデルとなり、自ら変化になり、他の人を応援することが大事だと思っています。

Q日常生活ではそのモットーをどう実行に移していますか?

私には息子と娘がいますが、ジェンダー規範によって自分たちが制限されることはないと教え、平等を信条とするよう育てる責任があると思っています。娘は自分が成功できると信じ、今は(男性が多い分野である)プログラミングに興味を持っています。また、息子に「男は強くあるべき」といったジェンダー規範を植え付けないように努めています。次の世代が、平等、尊厳や寛容といった価値観を持つよう育てるには、男児、女児の両方に働きかけるのが重要だと信じています。

Q子育てとキャリアの両立はどうされていますか。

UN Womenにおいて同僚の多くはワーキングマザーです。両立に理解がある人が多くて私はとても幸運です。時には、仕事が楽しすぎてリラックスするのを忘れてしまう時もありますが、ワーク・ライフ・バランスをとるロールモデルになるよう努めています。同僚にも育児休暇やフレックスタイム制度を活用するよう勧めています。

Q最後に、日本の若者へメッセージをお願いします。

自分のモットーでもある“Be the change that you want to see in the world” 「あなたが見たい世の中の変化にあなた自身がなりなさい。」と言いたいです。何か思うことがあるなら表現するのを忘れないでください。もし解決策を思いついたなら、誰かを待つのではなく自分で行動してください。

そして、機会があれば外国に行ったり、自分と違う人と会って、多様性の美しさを実感してほしいです。”Leave no one behind”「誰一人残さない」(注1)の精神を持ち、あらゆる人の声を聞いてください。

社会の言うことに拘束されないでください。そして、希望を忘れないで。

UN Womenでの仕事やプライベートでもモットーを実行しているところが素敵で、とても勇気付けられました。アナ・カリン氏のジェンダー平等や社会を変えることに対する情熱がひしひしと伝わりました。ありがとうございました!

(注1)国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念