第9回:会田有紀さん 南スーダン事務所 モニタリング・評価・報告担当官


【経歴

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校大学院教育学研究科修士課程修了特定非営利法人ADRA Japan・プログラム・オフィサー、三菱樹脂株式会社・本社経理部勤務したのち、2018年より現職Shape


 

UN Womenで働こうと思ったのはなぜですか。

前職のNGOで南スーダンからエチオピアに避難してきた難民の支援事業に関わっていた時、南スーダンの国内で戦闘があり、1週間で1万人以上の難民が一気にエチオピアとの国境に逃れてきたことがありました。その時、子どもたちを連れ、数日間歩いてエチオピアの国境に逃れてきた女性たちの話を聞いたり、疲れてたどり着いた避難先でも家族のために薪を拾ったり、食事を作ったり、働き続ける女性の姿を見たりしたことがきっかけで、いつか南スーダン国内で女性のために働きたいと思うようになりました。その後、登録していたUNV (国連ボランティア)の担当者から、UN Womenの南スーダン事務所でモニタリング評価報告担当官M&E and Reporting Officerを探しているという連絡があり、南スーダンで女性に貢献できる機会だと思い、面接を受け、採用されました。

 

UN Womenでの仕事内容を教えてください

モニタリングと評価、報告が主な仕事です。たとえば、南スーダン事務所が年間活動計画を作成するために、各事業担当者の活動計画と予算をまとめたり、活動計画の進捗状況を確認するための情報を収集したり、ドナーへの報告書をまとめたりする仕事です。UN Womenの事業実施地に行き、活動を視察したり、活動に参加している女性から話を伺ったり、終了した事業の評価実施に携わることもあります。また、南スーダンの国連カントリーチームのモニタリングと評価ワーキンググループに参加し、南スーダンの国連機関全体の計画と活動にジェンダー平等と女性のエンパワーメントを促進するために必要な活動や情報が含まれていることを確認する役割もあります。

 

C:\Users\Administrator\AppData\Local\Microsoft\Windows\Temporary Internet Files\Content.Word\IMG-20200314-WA0004.jpg

事業地モニタリング(Bentiu)UN Womenが支援している菜園で散水ポンプを試しているところ(Photo credit: Yuki AIDA)

 

仕事での難しさや、やりがいを教えてください

UN Women南スーダン事務所の活動はあらゆる分野にわたります。たとえば、政治・平和構築・経済活動・人道支援への女性の参画や地位向上、女性への暴力や差別の撤廃などです。南スーダンは2011年に独立し、長年にわたる紛争からの復興と国づくりが進んでおり、状況が刻々と変化する中、UN Womenの活動する幅広い分野について把握することは常にチャレンジです。また、その中でUNWomenの活動の成果を報告していくことにも難しさを感じます

やりがいは、厳しい環境の中でも、たくましく、賢く生きる女性に出会うこと、そして彼らの生活を少しでもよくするための活動に関わることができることです。UN Womenの同僚や事業地で出会う女性にはパワフルで明るい人が多く、いつも元気をもらいます。

 

\\172.19.240.16\Personal Folders\Yuki.Aida\My Documents\M&E\IMG-20190308-WA0008.jpg

国際女性デーを盛り上げるために、南スーダン事務所スタッフでメッセージTシャツを着用した。(Photo credit: Yuki AIDA)

 

国連での仕事は厳しい面も多いかと思いますが、それでも成し遂げようというパワーの源は何でしょうか。

現実は理想どおりにはいかないですが、それでも国連の理念や目的に賛同し、南スーダンの平和と発展に貢献できると信じていることだと思います。

 

これからの目標を教えてください

植民地や紛争を経験した国々で、女性を対象に持続可能な開発のための教育の推進および実施に貢献できる人材になることです。

 

UN Womenを目指す人にメッセージをお願いしま

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントは国際社会全体に関わる重要な課題であり、UN Womenでの職種は多岐にわたるため、それぞれの経験を生かして働く機会があると思います。

C:\Users\ANGELO BAMBURA\AppData\Local\Microsoft\Windows\INetCache\Content.Word\IMG_20190820_105859.jpg

事業地モニタリング(Yambio)UN Womenが支援している農家グループの畑(Photo credit: Yuki AIDA)