河野太郎外務大臣(当時)インタビュー
河野太郎外務大臣
Photo: Ministry of Foreign Affairs of Japan
日本は、ジェンダー平等と女性のエンパーメントのための国連機関であるUN Womenにとって、極めて重要なパートナーです。UN Womenと日本はともに、アフリカ、アジア太平洋、アラブ国家における人道危機対応や女性、平和、安全保障、暴力的過激主義の防止などに取り組んできました。また日本は、UN Womenの人道危機対応に関するフラグシップ・プログラミング・イニシアティブ※1であるLEAP※2(Women’s Leadership, Empowerment, Access & Protection in Crisis Response)のチャンピオン国でもあります。2017年には、日本はおよそ550万米ドルのコア予算を含む、2200万米ドルの支援をUN Womenに対して行いました。このUN Womenとのインタビューでは、河野外務大臣(当時)が、なぜジェンダー平等の実現が日本における重要課題であるかを明らかにしていきます。
なぜジェンダー平等が政府にとって重要なのでしょうか?
日本は少子高齢化による生産年齢人口減少労働人口の局面にある一方で、日本には条件が整えば働きたいと考えている女性が多くいます。日本は女性の活躍推進を重要課題の1つに掲げて、積極的に取組を行っており、女性の活躍を推進することで、社会の活性化と経済成長が見込まれます。
UN Womenの世界におけるジェンダー平等の役割についてどのように見ていますか?
困難な状況を克服するうえでは、女性がリーダーシップをとれるように活躍を推進することが必要不可欠です。それゆえ、日本は、UN Womenが進めるフラグシップ・プログラミング・イニシアティブにおける「LEAP(Women’s Leadership, Empowerment, Access & Protection in Crisis Response)」を支持しています。このLEAPの推進のため、昨年からの2年で、日本はLEAPに係るプロジェクトに約1600万ドルの拠出を決定し、本年もLEAPに係るプロジェクトに対して、870万ドルを拠出しています。こうした支援を行っていくにあたり、世界規模で女性のエンパワーメントを推進するUN Womenは我が国にとって頼もしいパートナーです。
多数国間協力政策にどのようにジェンダー平等と女性のエンパワーメントが反映できるとお考えですか?
SDGsの目標5に掲げられるジェンダー平等と女性のエンパワーメントは、SDGsのすべての分野に関わり、その達成に不可欠です。我が国は、開発協力において、女性と女児の権利の尊重、能力開発のための基盤整備、女性の政治参画とリーダーシップ及び経済的エンパワーメントを優先課題としています。あらゆる分野にジェンダーの視点を取り入れることで、開発援助の裨益の拡大、開発効果の向上を目指しています。
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※1 フラグシップ・プログラミング・イニシアティブ(Flagship Programming Initiative)とは:
・実施するプロジェクトを12分野に整理し、大規模なプロジェクトに集中して支援を実施するUN Womenのイニシアティブ。
・各12分野のチャンピオン国を指定し、チャンピオン国等の支援によりUN Womenがプロジェクトを実施するとされる。
※2 LEAP(Women’s Leadership, Empowerment, Access & Protection in Crisis Response)とは:
・12分野のうち、日本がチャンピオンに就任した分野であり、女性のリーダーシップと参画による「平和・安全保障・人道支援」の推進を目的とし、ジェンダーに配慮した計画等構築支援、危機下の女性の保護、経済的機会へのアクセス促進を行う。
ともに、外務省女性参画推進室「第62回国連女性の地位委員会サイドイベント UN Women Flagship Programming Initiative LEAP ラウンド・テーブル」より引用
<http://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/ikenkoukan/74/pdf/shiryou_1-1.pdf>2018年11月29日
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