女性と持続可能な開発目標(SDGs)
持続可能な開発のための2030アジェンダでは、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」(英語・日本語(国連広報センター仮訳))が掲げられました。これらはミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)を引き継ぎ、貧困や不平等、環境といった諸課題に対処すべく策定された、今後15年間の開発目標です。
持続可能な開発目標
(※国連広報センター仮訳)
目標1 あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
目標2 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
目標3 あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
目標4 すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
目標5 ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
目標6 すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
目標7 すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
目標8 すべての人々のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する
目標9 強靭(レジリエント)なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
目標10 国内および国家間の不平等を是正する
目標11 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭(レジリエント)かつ持続可能にする
目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
目標13 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
目標14 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
目標15 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
目標16 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
目標17 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
SDGsでは、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントが貧困や飢餓を撲滅し、健康を促進し、不平等と女性に対する暴力に取り組む方法を見出すための前提条件であるということを認識しています。ジェンダー平等を阻む法的障害を取り除くことに加え、女性と女児が基本的人権を保護される権利も示されています。
中でも、目標5「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」は、女性に対する差別、暴力、有害な慣行に終止符を打ち、介護や家事などの無償労働を認識・評価し、意思決定における参加とリーダーシップの機会を確保し、性と生殖に関する健康および権利への普遍的アクセスを保証するためのさまざまなターゲットを掲げています。また、女性に対し、経済的資源への同等の権利を与えるために改革に取り組み、ICTをはじめとする実現技術の活用を強化し、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを促進するための法制度を採用することをターゲットとしています。
目標5が達成されれば、男女の間の不平等な力関係を改善し、持続的および実質的なジェンダー平等へと向かうことができるでしょう。そのためには、発展を拒んでいる構造的な障壁を特定しなければなりません。
UN Women日本事務所ホームページでは、ジェンダー平等を中心課題に掲げている目標5にスポットライトを当てると同時に、持続可能な開発目標(SDGs)のその他の目標においても、女性の問題がいかに関係しているか、また女性がどのようにして各目標達成の鍵となっているのかについてご紹介したいと思います。