女性の政治的エンパワーメントとリーダーシップ

課題

 女性の政治的エンパワーメントとリーダーシップは、ジェンダー平等の達成に不可欠である一方で、政治および選挙過程への女性の参画率は世界的に低いままです。 

2015年は、歴史上最多の女性政治家の数を記録した年でした。1995年時点では11%だけだった全世界の国会議員における女性議員の割合は、22%に上昇しました。準国家的レベルでは、何百万人という女性が選挙で当選しています。 

 こうした前進があったにも関わらず、世界的に見て、投票者、候補者、当選者、そして選挙管理者としての女性の割合は極めて低く、政府の中枢で意思決定を担うシニアな地位からはほとんど排除されています。 

選挙制度には、女性の平等な政治参画に貢献しないものもあります。政党は女性を勝算のあるポストの候補に推薦しないかもしれません。女性候補者は、選挙運動の資金へのアクセスが少なく、その他にも多くの実質的な障壁に直面する傾向にあります。報道機関は、ジェンダーに基づく偏見を恒久化しがちです。 

組織的および構造的な制約の組み合わせに加えて、女性は公的分野に参画するべきではないという文化的および意識的な偏見が、家庭やコミュニティ、そして公共の場における女性のリーダーシップを制限しているのです。 

われわれの解決策 

女性の政治的エンパワーメントとリーダーシップを促進するためには、様々な方面での行動が必要です。UN Womenは、以下4点を優先領域とし、これらの変革を実現するためには、パートナー同士の協力が求められています。 

  1. 憲法、法律、規制、あるいは党則の改正や、政策決定を担う女性の数値的な目標を設定する暫定的特別措置、党則の改正など、強固な立法の枠組みと行政上の取り決めの形成と実施を支援すること。
  2. リーダーとしての女性の自信と能力の向上や、(選挙)運動の戦略やテクニックの向上、支援に前向きな市民社会団体との連携の促進を行うプログラムの実施などを通じて、選挙に立候補する資質と能力を備えた女性の母数を拡大し、多様化すること。 

  3. 全てのレベルの公的分野において女性が必要であるという意識を、メディアと有権者が持つようなキャンペーンの実施などを通じて、男性や男性の支援者と協働して、女性が正当で影響力のあるリーダーと認識されるように、ジェンダー規範を変革すること。 

  4. 政府の異なるレベルにおいて女性が働く機会をつくるために、国会、政党、および選挙管理委員会などの、ジェンダーに配慮せざるをえない政治的組織における女性リーダーたちを支援すること。女性リーダーの関心を集め、女性リーダーを推進し、確保することや、彼女たちの意思決定への建設的な貢献を強調することは、ロールモデルをつくることに繋がります。