日本政府拠出案件~カメルーン~

日本政府は女性の活躍推進を重要課題に掲げ、「女性が輝く社会」の実現に向け、国際社会との協力や途上国支援を行っています。UN Womenは日本政府と連携し、女性のエンパワーメント、参画、そしてヘルスケアや平和、安全保障といった分野において、アフリカ・中東の紛争地域を含め、多くのプロジェクトを実施しています。

UNWomenが日本政府の拠出協力のもとに行っている、カメルーンにおけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント実現のための活動をご紹介します。

カメルーンにおける女性や女児に対する暴力の撤廃

カメルーンは、干ばつなどの被害が起きやすく貧困状態にあります。また、中央アフリカ共和国など政情が不安定な周辺国から多数の難民を受け入れており、隣国ナイジェリア北部を中心に活動しているボコ・ハラムの台頭の影響で、ナイジェリア難民流入に加え国内避難民も増えています。そこで、日本政府はボコ・ハラム危機及び中央アフリカ危機の影響を受けた人々に対する人道支援、レジリエンス強化のため、国際機関に対し資金援助を行っています。その日本の支援によりUN Womenは、カメルーン事務所を通じて、ジェンダーに基づく暴力(GBV)撤廃に向けて様々な活動を行っています。

サバイバーのためのコールセンター Photo by UN Women Cameroonon

例えば、GBVを受けたサバイバー(生存被害者)のための、コールセンター設立を支援しました。センターに電話するとカウンセリングを受けられるほか、すぐに医療ケアに紹介を受けることができます。また、メディアに対して、この画期的なホットラインに関する情報を積極的に広め、暴力やHIVに関する啓蒙のメッセージも発信しています。主要な政府省庁を通じて、虐待サバイバーのための司法措置や法的支援の拡大を求める共同活動も実施中です。

その他にも、警察官を対象とした人道危機時に女性や子供を保護するための研修や、難民サイトにおける女性および女児のための結束スペース、警察内のジェンダーデスクの設置などの活動を支援しています。

2016年2月26日には、カメルーンにおける第31回国際女性デーの開始式に合わせて、日本政府による100万米ドルの拠出をもとにUN Womenが女性難民を対象として東部で実施中のプロジェクトについての式典が行われ、アベナ=オンドア・マリ=テレーズ・カメルーン女性地位向上・家族大臣、岡村邦夫在カメルーン日本大使、ムサ・アダマUN Womenカメルーン代表が出席しました。

開所式の様子。左から在カメルーン日本大使、女性地位向上・家族大臣、東部州知事、UN Womenカメルーン代表 Photo by UN Women Cameroon

式典では、東部州ベルトアでのGBV対策コールセンターの開所式が行われ、また、人道危機時に女性と子供を保護するための研修を終えた警察官150名に対し、修了証書が授与されました。