女性に対する暴力の撤廃

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写真: UN Women/Leovigildo Nhampule

 

女性と女児に対する暴力は深刻な人権侵害です。女性や女児への影響は、即時から長期にわたる身体的、性的、精神的なものであり、時には死につながることもあります。また、女性の健康に悪影響を与え、女性の社会への参画を阻んでもいます。暴力は女性にとってのみならず、家族、地域社会、国家全体にとってもマイナスの結果をもたらします。医療や法的な費用の増加から生産性の低下にいたるまで、国家予算や開発全体にとって甚大な損失となります。

数十年にわたる市民社会の取り組みや女性運動により、ジェンダーに基づく暴力の撤廃は、各国や国際的な課題の上位を占めています。前例のないほど数多くの国々が家庭内暴力や性的虐待をはじめとする様々な形態の暴力に反対する法制度を備えています。しかしながら、こうした法律の施行を巡る課題はいまなお存在し、女性や女児の安全性や司法へのアクセスは限られています。暴力防止のための取り組みはまだ十分とは言えず、女性に対し暴力を振るったとしても、処罰されないままに終わる例が多いのです。

UN Womenの解決策

女性が暴力から開放された生活を送る権利は、女子差別撤廃条約(CEDAW)のとりわけ一般勧告12および19、および女性に対する暴力撤廃に関する国連宣言(1993年)といった国際条約によって認められています。UN Womenはグローバルレベルで各国と協働し、国連総会や国連女性の地位委員会といった政府間プロセスからなる支援を通じて、国際的な規範の枠組みを深化させています。国別レベルでは、各国政府が国際基準に則って法改革を採用し、立法化することを支援しています。

私たちは各国政府、国連機関、市民社会団体やその他の組織とパートナーを組んで、暴力の撤廃、暴力の原因と結果についての認識の向上を提唱し、暴力の防止とこれに対応するためのパートナー機関の能力構築を進めています。また、男性や男児の規範や行動を変化させる必要性を促し、ジェンダー平等と女性の権利を提唱しています。さらに、UN Womenは、暴力被害者の安全、シェルター、健康、司法、その他基本的サービスに関する質の高い、多岐に及ぶ対応への支援も行っています。政策指針は暴力防止への投資を、最も費用効果の高い、長期的な暴力撤廃に向けた手段へとステップアップさせる助けになっています。

私たちは、各国政府と協力して、女性に対する暴力の防止と取り組みのための国家行動計画を策定し、持続的で意義の深い行動に必要不可欠な多様な活動家との連携を強化しています。また、UN Womenは暴力の撤廃を2015年以後の開発課題といった重要な国際的、地域的、国家的枠組みに組み入れることを提唱しています。