公共空間におけるガバナンスと参画

写真: UNMIT/Martine Perret
写真: UNMIT/Martine Perret

地域レベルから世界レベルに至るまで、女性のリーダーシップと政治参画は限られています。選挙権を持つ女性の数が少ないだけでなく、議員、公務員、民間部門、または学界においても、リーダーの地位に立つ女性は少ないのが現状です。こうしたことは、リーダーや変革の担い手としての女性の能力が証明され、民主政治に平等に参画する権利があるにもかかわらず起きています。

女性は政治参画の際、いくつかの障害に直面します。差別的な法律や制度による構造的な障壁のために、女性が公職に立候補するという選択が制限されているのです。男女の能力の格差は、女性が有能なリーダーになるのに必要な教育や人脈、そして資源へのアクセスが男性に比べて少ないことを意味しています。

女性の政治参画に関する国連総会決議(2011年)は以下のように記しています。「世界中のあらゆる地域における女性が政治的な分野から著しく疎外され続けているのは、差別的な法律や習慣、姿勢、また、ジェンダーに関する偏見、教育レベルの低さ、医療へのアクセス不足、および貧困が女性に与える影響が不均衡に多いことの結果なのである」と。

個々の女性はこれらの障害を乗り越えて大いなる喝采を浴び、社会全体に恩恵をもたらしてきました。しかし、全体として、公平な条件のもと、すべての女性に開かれた機会が提供されなければなりません。

UN Womenの解決策

UN Womenのリーダーシップと参画に関するプログラムは、女性の参画に対する国際的な公約の歴史に基づいています。女子差別撤廃条約(CEDAW)は公的な場に女性が参加する権利を認めており、北京行動綱領は平等な参画への障壁を取り除くことを求めています。また、ミレニアム開発目標(MDGs)は、議席に占める女性の割合がジェンダー平等への進歩をはかる一つのものさしになるとしています。

こうした目標に向けて、私たちは女性の政治候補者の能力構築を支援し、投票者にジェンダー平等についての市民教育を提供しています。また、ジェンダー平等の提唱者が政党や政府などに女性をエンパワーする上で役割を果たすよう求める支援もしています。さらに、ジェンダー平等を公共政策策定の中心に据えるために若い男性や女性に活動を促すイニシアティブもあります。

UN Womenは、女性が有権者、候補者、議員、さらには市民社会の一員として政治の場に公正にアクセスできるように、法や憲法の改正を行うことを提唱しています。また、国連の国別チームと協力し、市民社会と協働して選挙管理プログラムに取り組み、選挙に伴う暴力のない投票やキャンペーンなど、女性の権利を支援する選挙ができるように努めています。