日本政府拠出案件~ソマリア~

干ばつの被害を受けたソマリア南西部州における女性のための気候変動へのレジリエンス(強靭性)対応と持続可能な生計の促進

日付 2022年2月16日米国東部標準時

ソマリアの国内避難民(IDP)や疎外された女性100人が、ソマリア南西州の女性・家族・人権省(MoWFAHR)およびケア・インターナショナルと共同でUN Women(国連女性機関)ソマリア国事務所が開催したハイレベルイベントで農具と種を受け取りました。

 

この取り組みは、日本政府が資金提供する「LEAP (Leadership, Empowerment, Access and Protection)」と呼ばれる危機対応下の女性のリーダーシップ、エンパワーメント、アクセス及び保護に関する事業を通じて実現したものであり、キズマヨ(ジュバランド)とバイドア(南西部)の避難民女性やホストコミュニティに対して、生活とレジリエンス(強靭性)の維持に焦点を当てた支援を行っています。

somalia leap
(写真) バイドアで農具と種を受け取る女性たち。写真:国連ソマリア支援団

2022年には、推定770万人のソマリアの女性、男性、子どもたちが人道支援を必要とすると言われています。国中で約290万人が国内避難民となっており、ソマリアは世界で最も国内避難民の数が多い国の一つです。このうち、220万人が緊急の人道支援を必要としています。 国内避難民や支援を必要とする人々の約51%は女性です。

日本政府が資金提供するソマリアにおける女性のリーダーシップ、エンパワーメント、アクセス及び保護(LEAP)に関する事業は、キスマヨ(ジュバランド)とバイドア(南西部)の紛争の影響を受けた避難民の女性や男性の安定化と復興を通じて、生計機会へのアクセスの促進、対象コミュニティにおける女性や 女児に対する暴力防止と削減、平和の構築と維持の三要素からなるプログラムを導入しています。

UN Womenソマリアプログラムの責任者であるサディク・サイードさんは、「今日、国内避難民と疎外された女性たちに農具と種子が配布されたことで、南西州における農作業の生計と持続可能性が高まるでしょう」と述べました。

somalialeap2
女性たちに道具を配布するファヒマ大臣とサイード博士。写真:国連ソマリア支援団

ラホ・ムハンバド・アリさんとアマル・ファラ・ムハンバドさんの二人の受益者は、LEAPプログラムから得た機会について説明し、プロジェクトによってリーダーシップや経済機会のスキル、気候スマート農業や農産物の供給管理に関する知識が高まり、農業倉庫に関する能力が強化されたと述べました。また、バイドアの女性530人が村の貯蓄貸付組合(Village Savings and Loan Associations)の恩恵を受け、世帯の購買力を高めていることについても触れました。

 「ケア・インターナショナルは、ソマリアの女性の経済発展とリーダーシップに貢献するために、UN Womenと同様のプログラムでの協力を続けていきたいと考えています」と、ケア・インターナショナルソマリアのカントリーディレクター、イマン・アブドゥルラヒさんは述べました。彼は、ケア・インターナショナルはLEAPプログラムの実施に参加できることを誇りに思うと述べ、この支援が、支援対象者の回復力を高めるために大きな役割を果たすと強調しました。

 

somalialeap3
ソマリア女性省、UN Women、ケア・インターナショナルが種子配布の演習中の様子。写真:国連ソマリア支援団

イフラ財団の創設者兼事務局長であるイフラアハメドさんは、ネガティブなの社会規範への取り組み、ジェンダーに基づく暴力の終結、人権の促進におけるMoWFAHRとUN Womenの協力に感謝すると述べました。イフラさんは、家庭の生計向上における市民社会組織とソマリア女性の役割を強調し、女性の経済的エンパワーメントの認識と促進を継続的に推進する必要があると述べました。

「日本政府、UN Women、その他のパートナーのソマリアの女性と女児を支援する努力に感謝します」と、女性・家族・人権大臣(MoWFAHR)のファヒマ・オマル・オスマンさんは閉会の辞を述べました。