平等を目指す全ての世代フォーラムが開催されました

6月30(水)~7月2日(金)にパリで仏政府等と共催した「平等を目指す全ての世代フォーラム(Generation Equality Forum)」が閉幕

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歴史的成果

ジェンダー平等に向けた動きを前進・加速させるために、前回のメキシコに続き、パリにて開催された平等を目指す全ての世代フォーラム(Generation Equality Forum)。約5万人が世界中からオンライン上で参加し、大盛況のフォーラムとなりました。

(※平等を目指す全ての世代とは)

開会式にてムランボ=ヌクカUN Women(国連女性機関)事務局長は、総額400億ドルが平等のための変革へ充てられることを発表し、これは女性や少女たちのためだけでなく、全ての人の平等のためと強調しました。 この400億ドルの中には日本政府の公約も含まれています。本フォーラムにはたくさんの各国の首脳や企業のCEO、慈善活動家たちが集い、1,000を超える財政的、政策的なコミットメント(公約)を発表しました。ムランボ=ヌクカUN Women事務局長は、今回の歴史的な成果を受けて全てのステークホルダーに感謝を述べ、「パートナーを繋ぐエコシステム、ジェンダー平等を阻む高い壁に挑むために必要なエネルギー、投資、公約を生み出した本フォーラムが、女性や女の子たちにかつてないような迅速な進歩をもたらすでしょう」とコメントしました。 

 

 

(オープニングセッションの様子)

 

 
日本の取り組み
 
7月1日には、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(東京2020組織委員会)の橋本聖子会長がオンラインで出席し、スポーツにおけるジェンダー平等に関するコミットメントとして、東京2020大会の取り組みを発表しました。橋本会長は「スポーツのジェンダー平等はエンパワーメントそのものであり、社会の平等に繋がる」と述べ、同席したパリ2024大会組織委員会のトニー・エスタンゲ会長に対し、東京2020大会が培ってきたジェンダー平等の取り組みが2024大会にレガシーとして引き継がれるよう要請しました。

 
さらに同日、「ジェンダーに基づく暴力に関する行動連合ハイレベル・イベント」に丸川内閣府特命担当大臣が登壇しました。日本政府は「平等を目指す全ての世代」フォーラムの「ジェンダーに基づく暴力」行動連合のメンバーとして他の政府政府や民間企業、NGOや若者が率いる団体と共に参加し公約を実行に移していきます。丸川大臣は、ジェンダー平等は日本国政府の重要で確固たる方針であると強調し、コロナ禍でDVや性暴力の増加・深刻化が懸念される中、日本は第5次男女共同参画基本計画に基づき被害者支援を推進していることを報告しました。コロナの影響を受けた途上国の女性への支援として、日本政府はUN Womenなど3組織に総額約3,540万ドルを拠出しています。

(ステートメントはこちらからご覧いただけます)

 

ジェンダー平等グローバル加速計画(Global Acceleration Plan)

企業や団体からの画期的なコミットメントに加えて、本国際会合ではジェンダー平等達成を2026年までに加速させるためのグローバルな5年計画(Global Acceleration Plan)が発表されました。

 

各行動連合(Action Coalition)ごとの具体的な計画例

 1. ジェンダーに基づく暴力

あなたはジェンダーに基づく暴力の加害者が処罰されていない現実を終わらせ、これらの暴力を存続可能にしている社会的・ジェンダー的規範を変えることを望みますか?

1) さらに5億5,000万人の女性や女の子たちが、ジェンダーに基づく暴力を法や政策で罰する国に住めるようにする。

2) エビデンスに基づいた女性や女の子に対する暴力防止戦略を国家政策に取り込む国を5割増やす。

3) もっと多くの女性や女の子たちが警察や司法、保健、社会などマルチな部門のサービスを受けられる国に住めるようにする。

4) ジェンダーに基づく暴力に取り組んでいる女性や性的マイノリティの権利保護団体や活動家に対する国際的な支援金を5割増やす。

 2. 経済的正義と権利

あなたは同等の仕事に対する平等な賃金(同一労働同一賃金)を求めて声を上げますか?全ての人の利益につながる経済法や政策を支援しますか?

1) 無償で行われているケアワークを認識し、ケアワーク従事者にきちんと給与が支払われるよう国民所得の3-10%をケアワークへ投資することを推奨 する。

2) 土地や金融商品とサービスへの女性のアクセスを拡大させ、女性経営の会社を25%増加させる。

3) ジェンダーに考慮したマクロ経済計画を通じて、貧困女性や女の子の人口を8,500万人減らす。

 

3. からだの自己決定権および性と生殖に関する健康と権利

あなたは全ての女性や女の子たちが自らのからだ、そして性と生殖に関する健康に関して自主的に選択する力を与えられるべきだと信じていますか?

 

1) 更に5000万人の子供や若者たちが、学校内外問わず包括的な性教育を受けられるようにする。

2) 更に5000万人の女の子や女性たちが質の良い避妊サービスにアクセスできるようにする。

3) 最低でも20の国で、からだの自己決定権、そして性と生殖に関する健康と権利を守り推進するための法・政策改革を行う。

 4. 気候正義のためのフェミニスト的行動

あなたは気候変動とジェンダー平等問題は関係があると思いますか?持続可能な未来のためにあなたの声が届くよう強く求めますか?

1) 官民双方の世界的な気候変動対策予算のうちの88%をジェンダー平等を考慮した解決策(特に地方や草の根レベルでの環境保全活動)に充てる。

2) 最低でも20か国が政策立案の際にジェンダーと環境に関する統計を取り入れる。

 5. ジェンダー平等のための技術と革新

あなたは障壁を破り、今まで男性中心だった技術革新産業に携わっていますか?

1) 世代を超えて技術革新におけるジェンダー不平等を半分に減らす。
2) 女性も技術革新においてリーダーシップを発揮し、女性や女の子たちのニーズに応えられるよう、性差を考慮した技術革新への投資を50%増やす。
3) 新たなネットワークや技術革新の収益構造を通じて技術革新分野で活躍する女性を2倍に増やす。
4) 大多数の国や会社が責任をもってオンライン上でのジェンダーに基づく暴力に対する政策と解決策を講じる。

 6. フェミニズム運動とリーダーシップ

あなたは女性蔑視行為やハラスメントを目撃した時、介入しますか?ジェンダー平等と人権のために声を上げますか?もっとたくさんの女性がリーダーシップを取るよう呼びかけますか?

1) 女性や歴史的に虐げられてきた性的マイノリティの人々主導の活動や組織への財政支援のグローバル年間成長率を2倍にする。

2) オンラインを含む市民生活空間を推進・拡大・強化・保護し、フェミニズム活動を阻止する障害を取り除く。

3) 女の子たちや若いフェミニストリーダーたちが活動を強化し、安全でインクルーシブな空間を作り、主体性を共有し意思決定に参加できるよう具体的かつ柔軟な財政、技術、その他のリソースを収集・管理・評価する。