UN Women(国連女性機関)事務局長 シマ・バホス氏によるアフガニスタンに関する声明

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2022年5月9日米国東部標準時

私は、すべての女性は公共の場で顔を隠さなければならない、女性は必要な場合にのみ家を出るべきである、この指令に違反するとその男性親族が処罰されるというタリバンの発表に重大な懸念を抱いています。移動の自由は基本的人権です。それは、女性がその権利を十分に行使し、社会に積極的に参加するための絶対条件です。女性の権利が制限されるところでは、すべての人が委縮してしまうのです。タリバンによる最新の指令は、仕事への復帰を妨げ、教育を受けることができないなど、女性と女児に対する制限をさらにエスカレートさせるものです。

国連事務総長は先日、事実上の暫定政権が小学6年生以上の女子への教育を拒否するという、ひどく有害な行動を指摘しました。さらに、UN Womenが女性の市民社会団体や活動家から聞いている、女性が車を運転できない、公共交通機関を利用できない、あるいは単にある場所から別の場所に移動できないといった報告には、憂慮を覚えます。

こうした制約は、女性が生計を立てたり、医療や教育を受けたり、保護を求めたり、暴力の状況から逃げたり、個人や集団の権利を行使したり、主体性を持って行動したりする能力をますます制限しています。

このように悪化する女性と女児の権利侵害は、アフガニスタンに多くの犠牲を払い、その社会的・経済的成長に影響を与えています。女性の雇用に対する現在の制限は、最大10億米ドル(アフガニスタンのGDPの最大5%を占める値)の直接的な経済的損失をもたらすと推定されています。

アフガニスタンでは、ほとんどすべての人が貧困状態にあります。人口の半数以上が何らかの人道支援を必要とし、全世代が食糧難と栄養失調に脅かされています。最新の規制により、復興への試みはできないとは言わないまでも、より困難なものとなっています。

UN Womenは、タリバンがアフガニスタンの女性と女児との約束を守るよう求める事務総長の呼びかけに賛同し、国連アフガニスタン支援ミッションの声明と一致しています。私たちは事実上の暫定政権に対し、人権法の下での義務を尊重し、女性と女児の独立した移動の自由、労働と高等教育を受ける権利を即時回復することを含め、女性と女児の完全な人権を尊重するよう緊急に要求します。

※リンク先はすべて英語