加藤美和UN Womenアジア太平洋地域部長・事務所長が上智大学で講演

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5月18日(木)、上智大学にて対話型講演会「世界を話そう 国連事務所トップのソフィアン」が開催され、同大学の卒業生である加藤美和UN Womenアジア太平洋地域部長・事務所長が事務登壇しました。

外交、国際関係、経済界など、様々な分野の第一線で活躍している人々と学生たちが直接対話する機会を創出する目的で実施されている同イベントでは、当日、前半は加藤事務所長とモデレーターである藤崎一郎上智大学国際関係研究所統括代表・特別招聘教授が対話を行う形式で進められ、その後、質疑応答の時間が設けられました。

 

加藤事務所長は、上智大学大学院(国際関係学専攻)修了後、外務省の専門調査員として日本政府在ニューヨーク国連代表部をはじめとする在外公館で経験を積み、その後国連正規職員として採用され、国連薬物犯罪事務所の職員としてウィーンやカブールで勤務、現在はUN Womenアジア太平洋地域部長・事務所長としてバンコクを拠点に活動をしているという、自身の経歴について話しました。また、2010年にUN Womenが設立された経緯や、ジェンダー平等や女性のエンパワーメント実現のために取り組んでいる活動についても紹介しました。国際機関に関心を持つ学生に対し、国際機関に就職する手段は多種多様にあるということや、自身が国連職員を目指した動機を振り返り、国際機関で働くことは目的ではなく、そこで自分が何をやりたいのかを明確にすることの大切さについて語りました。また、人生、キャリアや仕事おいて、重要な選択を迫られた時に、一つの選択肢に絞る、「OR」ではなく、どうすれば両方実現できるのか「AND」という発想で考えるよう心がけているとアドバイスしました。

講演の後半の質疑応答の時間では、「国際機関を目指すなら学生生活をどのように過ごせばいいのか」、「国際機関で働くには、大学院でどのような分野を専攻すればいいのか」といったキャリア形成に関することから、「アジア諸国は日本におけるジェンダーに関する問題をどのようにみているのか」、「国連が民間企業と協力して国際問題に取り組んでいくことの重要性について」など多くの学生から活発な質問が飛び交いました。

    

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加藤美和UN Womenアジア太平洋地域部長・事務所長 プロフィール

2016年よりUN Womenのアジア太平洋地域部長・事務所長として、日本を含むアジア諸国42か国における女性の地位向上を目指し、政策助言・技術支援などを行っている。1996年上智大学大学院修了後、外務省の専門調査員として在ニューヨーク国連代表部、在オーストリア日本大使館に勤務。2003年には国連正規職員として採用され、国連薬物犯罪事務所(UNODC)の職員として働き、2011年には初のアフガニスタン周辺国地域統合プログラム上級調整官としてカブールに赴任。13年にはUNODCアジア太平洋地域課長となる。2015年にUN Womenに移り、エジプト事務所長として勤務したのち、16年現在のアジア太平洋地域部長・事務所長に就任。

Photo: 上智大学