女性に対する暴力の撤廃に向けて
世界中の女性の3人に1人が生涯に一度は身体的暴力、あるいは性的暴力を受けると言われています。
暴力の加害者は特定の個人だけではなく、社会全体でさえも暴力の加害者となりうることがあります。しかしながら、暴力を予防し、阻止する選択を行うこともできるのです。暴力は避けられないものではありません。防ぐことができるものです。しかし、ウイルスを根絶させることほど一筋縄ではいかないものです。暴力に効くワクチンもなければ、薬も存在しないのです。そして、暴力が起こる理由はひとつだけでなく、さまざまにあるのです。
暴力を予防するためには、長期的かつ永続的な効果があるように全体的な取組みが必要です。多くのセクターや様々な人々の参加が必要不可欠となっています。社会規範を変えるためにコミュニティーのメンバーが関わること、教員や生徒をターゲットにした学校の包摂的な介入、ジェンダー平等トレーニングを伴う経済的エンパワーメントなど、あらゆる場面における全体的な取組みが重要となっています。
「UNiTE女性に対する暴力撤廃キャンペーン」は、2008年に潘基文国連事務総長によって立ち上げられたキャンペーンです。このキャンペーンは、個人、市民社会、政府の力を結集して女性に対するあらゆる形態の暴力を終わらせ、女性への暴力を犯罪とみなす法律を採択するようすべての政府に呼びかけを行うことを目的としています。
「世界をオレンジ色に(Orange the world)」16日間キャンペーン
UN Womenは、11月25日(女性に対する暴力撤廃の国際デー)から12月10日(人権デー)までの16日間、暴力のない明るい未来を象徴するため「世界をオレンジ色に(Orange the world)」と呼びかけました。学校や建造物・史跡のランドマークなど、街中をオレンジ色に染めて、女性に対する暴力という人権侵害をなくすよう世界中に訴えかけました。
「世界をオレンジ色に(Orange the world)」企画は世界の70カ国以上で行われました。FacebookやTwitter、その他ソーシャルネットワークを通して世界中にキャンペーンの様子が伝えられました。
また、オレンジ色の光に照らされたランドマークには、次のような世界的に有名な場所もありました。
・ナイアガラの滝(カナダ/アメリカ合衆国)
・欧州委員会ベルレモン・ビル(ベルギー)
・欧州評議会建物(フランス)
・ぺトラ遺跡(ヨルダン)
・大統領官邸(ブラジル)
・パレ・ド・ジュスティス(コンゴ民主共和国)など
また、UN Women日本事務所でもこのキャンペーンに賛同し、11月25日に文京区と協力し、啓発・周知活動を行いました。活動の詳細な内容はこちらから。
2015年「世界をオレンジ色に(Orange the world)」企画写真集
2014年「世界をオレンジ色に(Orange the world)」企画写真集