私のいる場所から:アテフェ・マンスーリ(Atefe Mansoori)

Photo: 国連プログラム"政治における女性"

農家の人は、誰も私がこの仕事をできるとは思っていませんでした。なぜなら、私は女性であり、この仕事は女性の仕事ではないからです。

サフランを加工し、国際市場に輸出する仕事を始めるとき、農家もサフラン生産者の誰も私にサフランを卸そうとしませんでした。彼らは女性の私が、このビジネスを行うには心もとなすぎると考えていたからです。夫と身内の男性に助けてもらい、私はサフラン生産農家と話をする機会を得ました。そして、私には良い知識と経験があり、このビジネスをやっていく能力があることを彼らに説明しました。私を信頼してくれるならば、損害を被ることは決してないと彼らに保証しました。何度も議論を重ねた後、私が本当にこのビジネスをやっていけるかを試すために、一組のサフラン農家が私と働くことを認めてくれました。

それから、私は一緒に働く女性を探し、交渉しなければなりませんでした。私の村では、女性が家の外で働くことなど今までありませんでした。私は、彼女たちの夫や家族に話をし、家の外で働くことから得られる利益について説明しました。私は、夫たちにこう言いました。「あなた方の妻や娘が働くことで、世帯収入は増加します。そして、女性が働くことのできる場所は、女性で満ち溢れるのです」と。何度も何度もそれぞれの家族と話し合った結果、彼らは私と彼女たちが働くことを認めてくれました。今では、彼女たちのほとんどがビジネス・ウーマンとして働いており、また自分たちの会社を経営しています。

しかしながら、女性が外で働き、女性の存在を「見える化」することにより、宗教過激論者から暴力を受けるおそれがありました。なぜなら私は市場に出ていたからです。多くの困難がありましたが、私は決して諦めませんでした。なぜなら、女性に対する暴力を撤廃することこそが、女性を経済的に自立し、エンパワメントを助ける唯一の方法だと知っていたからです。このことを胸にとどめ、私は懸命に働くとともに、女性が、学び、働き、そして稼ぐことができるよう支援に取り組みました。これが功を奏したのです。"

アテフェ・マンスーリ(52)は、アフガニスタンの中心地区出身であり、サフランの加工と輸出を行うアブドゥラ・ムスリム社(Abdullah Muslim Company)の取締役です。2015年12月に、カブールにおいてUN Womenが開催したワークショップでは、アフガニスタン中の女性起業家とビジネスウーマン120人が出席しました。アテフェも、ワークショップで自分の経験を共有し、互いに学びあった女性起業家の1人です。アフガニスタンにおける彼女の取組みは、国際的な支持を受けた持続可能な開発目標と関係しています。目標2は、飢餓をなくし、女性を含めた、小規模食料生産者の生産性と収入を増大することを目標としています。また、目標8は、包摂的な経済成長の促進および、生産性、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の創出、起業家精神、中小・零細企業の状況改善の支援に焦点を置いています。