紀谷昌彦駐南スーダン共和国日本国特命全権大使が南スーダン共和国・ニムレでの修了式に参加
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2017年2月6日、紀谷昌彦駐南スーダン共和国日本国特命全権大使は、ランサナ・ウォネUN Women南スーダン共和国事務所副代表、Support for Peace Education and Development (SPEDP) 最高責任者、オドゥル・ネルソン・フセイン 南スーダン共和国政府補助教育局長、エミリオ・イグガ・アリマス パゲリ郡政委員と共に、南スーダン・パゲリ郡のニムレで開催された修了式に出席し、日本政府が拠出したUN Womenのプログラムの修了生を祝いました。
修了式に出席した修了生194名(女性154名、男性39名)は、日本政府が拠出し現地の非政府組織 (NGO) 5団体が実施した、UN Womenの2年間プログラムに参加し、機械学、仕立て業、ベッドシーツのデザイン、読み書き計算など様々な分野において研修を終えました。「Responding to Emergency needs of Displaced Women and Host Communities impacted by Conflict in four IDP Camps in South Sudan(南スーダンIDPキャンプ4拠点における紛争の影響を受けた避難女性とホスト・コミュニティの緊急ニーズへの対応)」と題したこのプログラムは、人道支援における深刻なジェンダー格差を是正することを目的とし、生計手段や職業訓練、コンピューター・リテラシー、成人識字能力、そして国内避難民(IDPs)とそのホスト・コミュニティ(パゲリ、アウェリアル、ジュバ)に対するジェンダーに基づく暴力の防止を促進します。
ランサナ・ウォネUN Women南スーダン事務所副代表は、式典にて、紛争の影響を受けた国内避難民 (IDPs)とホスト・コミュニティの人々の強じん性の構築に貢献しつつ、標的にされた地域でのジェンダーに基づく暴力の発生と蔓延を緩和した、日本政府の支援に感謝の言葉を述べました。また、Support to Peace Education and Development Programme (SPEDP) の功績を称え、UN Womenは引き続き連携を希望する旨表明しました。
紀谷昌彦駐南スーダン共和国日本国特命全権大使は、プログラムの成果に満足の意を表明し、UN Womenとプログラムの実施団体の注目に値する実績に謝辞を述べました。また紀谷大使は、日本政府を代表して、プログラムの継続と拡大のために、新たに100万米ドルを拠出すると発表しました。生計支援は、暴力の標的とされた個人のみならず、コミュニティ、そして国全体の希望となることも強調しました。更に「日本は戦争でぼろぼろになり、人力もありませんでしたが、僅かに生き残った人々は日本を再建するという一つの目標を掲げていました」と述べ、習得した技能で南スーダン共和国の再建に貢献するよう、修了生たちに求めました。
修了生たちはその努力を称えられ、修了書に加えて、習得した技能を生計手段として使い続けるためのスタートアップ・キットも受領しました。
マイク・ハキームSPEDP最高責任者は、日本政府、UN Women、そして南スーダン政府によるパゲリ郡の女性と女児への支援に関して、感謝の言葉を述べました。また、日本政府による支援が、多様で革新的なプログラムとなって紛争の影響を受けた女性と女児に確実に行き届くよう、SPEDPは努めていくと説明しました。
エミリオ・イグガ・アリマス パゲリ政務委員からは、南スーダンで継続する紛争はパゲリ郡の社会構造を揺るがしたと説明がありました。また、南スーダン政府には全人口を雇用できるほどのキャパシティがないため、日本政府を含むドナーが平和と自助努力を促し、パゲリ郡の人々を支え続けるよう要請しました。エミリオ・イグガ・アリマス パゲリ政務委員は、本プログラムがパゲリ郡に導入したVillage Savings and Loans Association (VSLA)の取り組みを評価し、かつては存在しなかった貯蓄という文化が急速に浸透していることを指摘しました。
同じく主賓のオドゥル・ネルソン・フセイン 南スーダン政府補助教育局長は、「近隣国から来た電気技師、機械工、配管工のような専門職の人々は、紛争の影響で南スーダンを去ってしまいました」と述べました。そして修了生たちに向けて、「皆さんのような専門的な技能を備えた南スーダン人が南スーダンを立て直す、絶好のチャンスです」と伝えました。また、2017年4月からSPEDEPセンターで行われる成人識字教育の授業への生徒100名の入学を教育省が支援することも発表しました。
プログラムの受益者を代表して、国内避難民(IDP)サイトのジョセフ・ダウ氏は、受益者たちの読み書きの能力向上のために、成人識字能力プログラムが継続されることを求めました。
日本政府と南スーダンのパートナ―シップに関しては、こちらもご覧下さい。