国際ICT分野の少女の日(International Girls in ICT Day)に関するUN Women(国連女性機関)シマ・バフース事務局長による声明
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世界中の少女たちにとって、デジタルテクノロジーは力であり可能性を秘めています。 デジタルリテラシー、オンラインでの安全性、サイバーセキュリティの技術は、特に青年期の男女にとって、現代生活に欠かせない要素となっています。19歳のDilanaz Gulerさんは、トルコのGeneration Equality*のリーダーです。 彼女は、「テクノロジーは世界をより良く変えることができるという、確固たる信念を持っています」と語っています。 私たちは彼女の意見に同意します。 少女たちが科学、技術、工学、数学、芸術分野で活躍できるよう、安全で包括的で平等なテクノロジーへのアクセス、それを利用するためのスキル、教育や就職の機会を彼女たちに保障しなければなりません。
今年のCSW67*では、イノベーションとテクノロジーの変化、そしてデジタル時代の教育について取り上げられました。 同委員会は、現代を生きる青年期の少女は、歴史上最もデジタル世界と深く繋がった世代の一部であると位置づけました。 そして、彼女たちが日々テクノロジーを活用する上で直面するであろう障壁をしっかりと認識し、意思決定プロセスにおける彼女たちの完全かつ平等で有意義な参加とリーダーシップを促進することを約束すると結論付けました。
デジタルスキルは未来の仕事の中核をなすものであり、その需要は高まる一方です。しかし、デジタルスキルを構築する機会の欠如や、STEM分野の少女に対するネガティブな固定観念が、不平等な結果を生んでいます。女性や少女は、テクノロジーを利用するのに十分な知識やデジタルスキルを持っている可能性が男性よりも25%低いのです。これは、少女から重要な機会を奪っています。ほとんどの国で、女子は科学分野において男子と同等の成績を収めていますが、世界的に見ると、テクノロジー分野で働く人の内女性は3分の1以下です。
トレーニングプログラムは重要ですが、それは根本的な解決にはなりません。 女性と少女を「直す」のではなく、ステレオタイプを存続させてしまう人々や組織の在り方を修正し、協力的でない教育や職場の環境に変化を加えることが必要です。
手頃な価格の公平かつ包括的な教育を通じて少女のデジタルスキルを促進することは、単に平等を実現させるためだけに必要というわけではありません。経済的にも必要なことなのです。低・中所得国に暮らす青年期の少女と若い女性は、インターネットへのアクセスやデジタルスキルが男性に比べて低いために、150億米ドルの経済機会を逃しています。 インターネットへの完全なアクセスと適切なスキルがあれば、女の子は有能なデジタル市民となり、必要なリソースやサービスを得ることができますし、そうでなければなりません。
悲しいことに、問題は経済機会の損失だけではありません。少女たちは、経済的虐待、サイバー犯罪、詐欺から身を守る術も学ばなければならないのです。世界の若い女性や少女の58%が何らかの形でオンライン・ハラスメントを経験しており、その多くが14歳から16歳の間に初めて経験したと報告しています。私たちは、オンライン上のリスクやソーシャルメディア上のプライバシーに対する不法な干渉から少女たちの年齢に応じた保護を確保し、加害者の不処罰をなくすために、官民一体となって予防、責任、正義に関する取り組みをもっと強化しなければなりません。
変革的なエンパワーメントと、「少女たちのため」ではなく「少女たちとともに」変化を生み出すことが、永続的で意味のあるインパクトを生み出す鍵になるのです。
テクノロジーとイノベーションに関するGeneration Equality Action Coalition*の招集者としての私たちの優先事項は、ディラナズのような青年期の少女たちを含むパートナー全体と協力し、行動計画を立てたり知識交換をすることで、より良いデジタル未来を創造していくことです。ジェンダー平等のためのテクノロジーとイノベーションに関するGeneration Equality Action Coalitionは、2年前の設立以来、様々な関係者との連携を通じ、見過ごされがちな分野に焦点を当てたジェンダーとデジタルテクノロジーに関するグローバルスタンダードの形成に尽力してきました。 今後もそうしていくつもりです。
平等なデジタルの未来を形作るために、すべての少女が安全に、そして有意義にテクノロジーへアクセス、使用、牽引、デザインできる機会を平等に得られるように共に努力しましょう。
*Generation Equality= 年齢や国籍、ジェンダーに関わらず、世代を超えて全ての人々が手を取りあい、あらゆる方面で平等な社会を実現していくことを目的とするキャンペーンのこと。
*CSW67= 女性の地位委員会という、ニューヨークの国連本部において、毎年2~3月頃に2週間の期間で開催される会合のことであり、政治・市民・社会・教育分野等における女性の地位向上に関し、国際連合経済社会理事会 に勧告・報告・提案等を行うことを目的としている。
*Generation Equality Action Coalition= https://forum.generationequality.org/action-coalitions
原文(英語)はこちらより↓
Statement: Digital skills for life | UN Women – Headquarters