私のいる場所から:ヤナル・ムハンマド(Yanar Mohammed)

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Photo: UN Women/Ryan Brown

イラクはとても厳しい状況にあります。家庭から逃げてきた若い女性、人身取引のグループに騙され売春宿で強制的に働かされた女性、より良い暮らしのために逃げたいという女性、そして家に戻れば殺されるとを恐れ、帰る場所がない女性。このような女性たちに沢山出会いました。今現在も何百人もの女性がイラク国内で避難しています。彼女たちは貧しく、子どもに食べさせる必要があるため、人身取引の被害に遭いやすくなってしまいます。

また、過激派組織「イラクとシャームのイスラム国(ISIS)」による女性に対する暴力も、極めて深刻な問題です。できる限りすべてのことをします。ISISの活動が活発な地域においては、女性にアウトリーチし、新しいシェルターの開設を準備しています。我々のシェルターでは、初めの段階では女性たちにケアを施すだけですが、結局重要なことはエンパワーメントと政治的な意識の向上であるため、彼女たちがコミュニティで人権活動家やリーダーとなれるよう支援を行っています。

私たちの生きる歴史の中で、国連安保理決議1325号が必要な時があるとすれば、それは今です。同決議は、保護及びエンパワーメントからの法整備、そして参画について言及しています。

ヤナル・モハメド(55歳)は、2003年にイラク女性自由組織(The Organization of Women's Freedom)を設立し、シェルターの提供や様々な支援を通じて脆弱なイラクの女性を保護しています。また、国連安保理決議1325号の採択から15周年を記念して開催された2015年10月の女性と平和、安全保障に関する国連安保理公開討論においては、女性と平和、安全保障に関する非政府組織ワーキンググループの代表として発言しました。ヤナルの活動は、あらゆる場所において、すべての形態の暴力及び暴力に関する死亡率を大幅に減少させることを通じて、平和と正義を保障することを目指す、持続可能な開発目標(SDGs)の目標16に直接関連しています。また、あらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を保障することを目指す目標5にも関連しています。